15年の米最優秀ファンドマネジャー、波乱相場をどう乗り切ったか(1)

 米モーニングスターはこのほど、優れたファンドマネジャーを表彰する15年の「ファンドマネジャー・オブ・ザ・イヤー」を発表した。米国株式部門はブラウン・キャピタル・マネジメント社、国際株式部門はキャピタル・グループ、債券部門はピムコ社、アロケーション部門はウェリントン・マネジメント社、オルタナティブ部門はバンガード社がそれぞれ栄冠に輝いた。15年はチャイナショックや原油安の加速、米国の利上げなどから夏以降は波乱相場の様相を呈したが、米国投信業界で最優秀の座に輝いたファンドマネジャー(運用チーム)がいかに優れた運用成績を残したのかを紹介したい。

 米国株式部門では、「Brown Capital Management Small Company Fund」を運用するブラウン・キャピタル・マネジメント社の運用チームが受賞した。同ファンドは、売上高が2億5000万ドル(約300億円)以下の銘柄に絞り込み、その中から成長性や財務の健全性などが優れた優良株を選定する。参考として、15年末時点でのテクノロジーとヘルスケアの比率は約9割と、ラッセル2000グロースの同比率の約5割を大きく上回り、特徴のあるポートフォリオとなっている。

 一貫した運用プロセスなどが評価され、米モーニングスターアナリストレーティング(注)で最高位の「Gold」が付与されている。15年のトータルリターン(米ドルベース、以下同じ)は8.8%と、カテゴリー「小型グロース」内で上位1%の成績であっただけでなく、過去3年、5年、10年におけるトータルリターンはいずれもカテゴリー内で上位1%の成績となっている。

 国際株式部門では、「American Funds New Perspective Fund」を運用するキャピタル・グループの運用チームが受賞した。同ファンドも、米モーニングスターアナリストレーティングでも「Gold」(5段階中最上位)が付与されており、シェアクラス合計の純資産残高は600億ドル(約7.2兆円)と、カテゴリー「国際株式」内で2番目に規模が大きい。米国、英国、アジアに在籍する7名のファンドマネジャーが、合議制ではなく担当のポーフォリオの一部をそれぞれ独自に運用することにより、ファンド全体としての分散効果が発揮されている。

 15年のトータルリターンは5.3%と「MSCI・オール・カントリー・ワールド・インデックス(ネットトータルリターン)」を7.7%上回り、カテゴリー「国際株式」内で上位10%以内の成績であっただけでなく、過去10年間の暦年トータルリターンは、カテゴリー内で上位50%以内を維持し続けている。

(注)米国モーニングスターでは、主要なファンドについて、アナリストによる将来的な長期のパフォーマンスに対する相対的な優劣の判断項目として、運用プロセス、運用成績、運用・調査体制、会社全体、コストの5項目について3段階、総合評価として5段階の評価を付与している。

 (2)へつづく
提供:モーニングスター社
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