15年の米最優秀ファンドマネジャー、波乱相場をどう乗り切ったか(2)

 (1)からつづく

 債券型部門では、「PIMCO Short Term Fund」を運用するピムコ社の運用チームが受賞した。同ファンドは流動性を重視し、リスクの最小を追求する慎重な運用が評価され、米モーニングスターアナリストレーティング(注)で「Silver」(5段階中2番目)が付与されている。15年のトータルリターンは1.4%と、カテゴリー「超短期債」内でトップの成績となっただけでなく、過去3年、5年におけるトータルリターンはいずれもカテゴリー内で上位10%以内の成績となっている。1月、2月には金利感応度であるデュレーションを一時マイナスにまで引き下げるなど年前半は短めとして、後半はやや長期化するなど金利リスクの調整を機動的に行ったことが奏功した。

 アロケーション部門ではバンガード社が運用する「Vanguard Wellesley Income Fund」に助言するウェリントン・マネジメント社の運用チームが受賞した。同ファンドは45年の運用実績の中で、マイナスのリターンとなったのは過去に計6年間のみである。15年のトータルリターンは1.3%とベンチマーク(合成指数)の2倍のリターンを上げ、カテゴリー「保守的アロケーション」内で上位2%の成績であった。

 米国モーニングスターレーティングは「Gold」(5段階中最上位)が付与されており、下落局面への強さやカテゴリー内で最安クラスの経費率(コスト)が評価されている。カテゴリーに属する多くのファンドとは異なり、株式と債券の比率を機動的には変更せず、株式の投資比率は35−40%の範囲内にとどめる。相場変動の際はリバランスに徹し、割安になった高配当株を組み入れるなど、個別銘柄の選択で超過収益を稼ぐ。

 オルタナティブ部門では「Vanguard Market Neutral Fund」を運用するバンガード社の運用チームが受賞した。同ファンドは第3四半期(7−9月期)において、S&P500種株価指数が6.4%下落するなか、7.2%のリターンを獲得した。コンピューターを用いたクオンツ運用により、セクター平均よりも利益成長性が高く且つ割安な銘柄を買い、逆の特性の銘柄を空売りする。過去3年間、5年間におけるトータルリターンはカテゴリー「マーケットニュートラル」内で上位10%以内の成績であり、米モーニングスターアナリストレーティングは「Silver」(5段階中2番目)が付与されている。

(注)米国モーニングスターでは、主要なファンドについて、アナリストによる将来的な長期のパフォーマンスに対する相対的な優劣の判断項目として、運用プロセス、運用成績、運用・調査体制、会社全体、コストの5項目について3段階、総合評価として5段階の評価を付与している。
提供:モーニングスター社
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