エイト証券「8 Now!」、ドル建てETFのラップ口座を1万円から年0.88%の手数料で提供(上)

 エイト証券は、ロボ・アドバイザー機能を使ったETF(上場投資信託)の投資一任サービスで「ラップ口座で圧倒的な小口化を実現し、若い層の資産運用ニーズに応えていきたい」(エイト証券代表取締役社長の飯盛信文氏)と、最低投資単位88ドル(約1万円)でスタートできる「8 Now!」を提供している。「2014年8月にベータ版をリリースし、2015年5月から『8 Now!』のサービスを開始しました。スマートホンを使って本格的なポートフォリオ運用ができるサービスです」(飯盛氏)と、普及活動を本格化させる。飯盛氏に「8 Now!」のサービス特徴と今後の展望について聞いた。

 ――「8 Now!」のサービス概要は?

 個人投資家のリスク許容度や投資目的に合わせて、米国市場に上場するETFを組み合わせたポートフォリオ運用が手軽にできるサービスです。

 利用者の方のリスク許容度は、8つの質問に答えていただくだけで判定しますので、最短5分程度で診断できます。このリスク許容度の診断や、ポートフォリオの提案を米国モーニングスター・インベストメント・マネジメントが開発したアルゴリズムを用いて行っています。

 通常、ETFを使ったポートフォリオを作ると、小さなものでも150万円程度の資金が必要になります。ただ、最低投資金額が150万円では、利用いただける方が限定されてしまいます。これをテクノロジーの力で、小口化、低コスト化したのが「8 Now!」です。最低投資金額を88ドル(約1万円)、年間手数料もポートフォリオ評価額の0.88%だけにしました。

 エイト証券は、米国のオンライン証券E*TRADE証券で経験を積んだメンバーが独立して立ち上げた会社で、金融テクノロジーを駆使し、小口で低コストな証券取引を提供することに特徴があります。

 「8 Now!」では、当初のポートフォリオ提案だけでなく、その後の市況変動によってリバランス(ポートフォリオの構成比率の見直し)も自動的に行いますが、そのようなETFの購入、組み換えに必要な売買手数料も含めて、全ての投資コストが年間0.88%で行うことができます。

 日本でも現在、証券会社などで提供しているラップ口座の需要が拡大していますが、多くは富裕層向けにサービス提供されています。「8 Now!」は、公募投資信託と同等の投資単位で、運用コストは投資信託と比較して競争力のある水準に設定しています。

 ――昨年5月にサービス開始されて、投資家の方々からの反響は?

 現在のところ、「8 Now!」のサービスを利用している方は160名くらいで、運用資産残高も総額で6000万円程度に過ぎません。このうち80%程度の方々が1万円でスタートした方々ですので、「試しにやってみよう」と口座を開設していただいている段階です。

 サービスについては昨年10月にiPhone版のアプリをリリースしたばかり。現在、Android版を開発中という段階にあります。これから、本格的なプロモーション活動を展開し、サービスの普及を図っていきたいと思っています。

 ただ、30歳前後の若い方々からの問い合わせが多いこと、また、1万円でスタートした方が、追加購入の手続きを取っていることなど、若い方々の資産形成ツールとして活用していただきたいという意図は伝わっていると感じています。

 定期的に追加購入していただくことによって、リスク分散の効果もあり、また、自動リバランス機能があることのメリットも感じていただきやすいと思います。

 (下)につづく
提供:モーニングスター社
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