<トップインタビュー>「長期の運用を通じてお客さまの信頼に応える」=ニッセイアセット赤林社長(下)

 ニッセイアセットマネジメントは2016年4月1日付けで役員異動を行い、代表取締役社長の宇治原潔氏が代表取締役会長に就き、代表取締役社長に赤林富二氏が就任した。赤林氏に、社長就任の抱負と当面の経営方針について聞いた。

 (上)からつづく

 ――当面の重点方針は?

 運用体制については、日本株式のボトムアップアプローチの精度を一段と高めていきます。現在、セクターアナリスト20人が、投資先企業に年間で約3500回の面談を行って情報収集を行っていますが、この情報を集めてくる担当者とチーフアナリスト、または、ポートフォリオマネジャーとの議論やコミュニケーションを一段と活発にしていきたいと考えています。このことによって、ポートフォリオのクオリティーを高め、ひいては、提供している商品の品質を高度化させるのです。

 この点では、人材の育成がカギになると感じています。新卒採用を導入して久しいですが、入社後できるだけ早い時期から実践に役立つスキルを磨く機会を提供しています。具体的には、チーム運用体制を採用するなかで、若手にも、一定のディスクレション(裁量)を与え、実際の運用を担当させているほか、若手自身の投資アイデアに対して資金を与えてインキュベーションファンドという形で運用経験を積む、あるいは、海外研修に出して海外現地の運用現場を経験するなど、できるだけ若いうちにさまざまな経験を積ませるようにしています。こうした取り組みをより積極的に進めていきたいと考えています。長期の運用を担うということは、途切れることのない次世代の人材を育て続けるということでもあると考えています。

 運用商品においては、環境変化に合わせ、その時々に選ばれ続ける運用会社をめざし、投資家の皆さんが必要と感じる商品をスピーディーに提供していく姿勢を強化します。たとえば、昨年度はJPX日経インデックス400に関連するファンドの純資産総額がトータルで4000億円を超える規模に成長しました。2014年1月にJPX日経インデックス400の公表が始まってから間髪を入れずに投資信託の形でアクティブファンド「ニッセイJPX日経400アクティブファンド」<2014022003>を投入し、その後、「JPX日経400アクティブ・プレミアム(毎月)」<2015021205>やインデックスファンドなど品そろえを強化した結果だと思います。

 また、NISAやジュニアNISA向けに分配金を抑えた資産成長型の商品の提供、あるいは、ネット販売向けの低コストのインデックスファンド、そして、マイナス金利で注目される国内債券プラスαのリターンを提供する「ニッセイ国内債券アルファ(愛称:Jアルファ)」<2015112702>などでお客さまの支持をいただきました。引き続き、ニッセイアセットの提案力を生かした商品を提供していきます。

 さらに、営業サポート体制にも当社の強みがあると考えています。販売会社の方々、そして、最終投資家の方々に対して、商品の概要や運用状況を分かりやすく伝えることについては、銀行の支店を通じて行われるセミナー、支店での勉強会にも積極的に対応するなど、きめ細かな活動を繰り広げてきています。また、販社の方々には使いやすい営業ツールを提供することにおいても、常に内容をブラッシュアップしています。運用体制の充実強化と合わせて、運用会社が提供するサービスの両輪として特徴を発揮していきたいと思います。

 ――最後に、めざす企業像については?

 お客さまの信頼を第1に考える会社でありたいと思います。お客さまからの信頼は、ひとつひとつの積み重ねで得られるものですし、その信頼によって会社の成長はもたらされるものだと考えています。キチンとしたサービスを提供し、商品・サービスの品質管理、品質向上に努めていきます。

 お客さまは、投資信託を購入していただいている個人投資家の方々から、年金基金をはじめとした機関投資家の方々、そして、最近では海外の投資家の方々も増えてきています。お客さまのニーズは多様で、その時々の環境によっても変化します。それらに応え続けることは並大抵のことでは実現できませんが、当社には、それを可能とする人材がいると思います。良いメンバーに恵まれているというのが、就任してからの率直な印象です。このメンバーの力を1つにし、また、一層磨きをかけることによって、一段と高度化する運用ニーズにお応えしていきたいと思います。
提供:モーニングスター社
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