機動的な配分変更で運用効率トップの米国債券ファンドなどが5つ星昇格

 国内公募追加型株式投信(確定拠出年金向けおよびラップ口座専用、ETF等除く)のうち、16年4月(以下、同月)末時点でモーニングスターがレーティング対象としているファンドは2735本(全ファンド中63%)、純資産総額では42兆円(同83%)となった。同月の純資金流出入額(推計値)では5つ星が100億円、4つ星は190億円、3つ星は645億円の流入超過となる一方、2つ星以下は合計で418億円の流出超過となり、3つ星以上への資金流入が顕著となった。レーティング対象ファンドのうち同月末時点における純資産額が10億円以上、かつ前月末とカテゴリーが同一のファンドは1729本で、そのうちレーティング上昇は128本、低下は130本、新規付与は19本となった。

 レーティングが上昇した128本のうち、5つ星となったのは27本。そのうち「USストラテジック・インカムB(H無)」<2013030802>は、米国の多種多様な債券を投資対象とする毎月決算型のアクティブファンド。米国の景気減速局面では国債やモーゲージ債(住宅ローン担保証券)などの比率を高め、景気回復局面では投資適格社債やハイイールド債券などの比率を高めるなど、市場環境の変化を捉えて機動的に配分比率を変更するのが特徴。銘柄選択など実質的な運用は、米国有数の独立系資産運用会社ジャナス・キャピタル・マネジメント・エルエルシーが担当する。同月末時点における過去3年間のシャープレシオ(年率)は0.68と、カテゴリー「国際債券・北米(為替ヘッジなし)」に属する34本中第1位となり、優れた相対的な運用の効率性を示した。

 同じく新たに5つ星を獲得した「高成長インド・中型株式ファンド」<2011083106>は、インドの取引所に上場する中型株式を主要投資対象とする年4回決算型のアクティブファンド。銘柄選択など実質的な運用は、インドの金融大手コタック・マヒンドラ・グループが担当する。同月末時点における過去3年間のトータルリターン(年率)は19.51%と、カテゴリー「国際株式・インド(為替ヘッジなし)」平均を9.69%上回り、カテゴリーに属する26本中第2位となった。同期間のシャープレシオも0.71と、カテゴリー平均を0.35上回り、カテゴリー内第3位であった。

 新規付与の19本のうち、5つ星はゼロ本、4つ星は4本。そのうち「JPM 北米高配当・成長株F(H無、3カ月)」<2013041101>は、北米(米国、カナダ、メキシコ等)企業の株式を主要投資対象とする年4回決算型のアクティブファンド。将来の利益成長力に着目し、配当利回りが相対的に高い銘柄に投資するのが特徴。同月末時点における過去3年間のトータルリターン(年率)は13.48%と、カテゴリー「国際株式・北米(為替ヘッジなし)」内で上位25%以内の成績を収めた。また、同期間の標準偏差(同)は16.02%、シャープレシオ(同)は0.84と、いずれもカテゴリー内で上位15%以内に入った。年2回決算型の「JPM 北米高配当・成長株F(H無、年2回)」<2013041103>も同じく新規4つ星となった。
提供:モーニングスター社
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