いちごホテルリート、スポンサーサポートを最大限活用し成長をめざすホテル特化型リート

 いちごホテルリート投資法人<3463.T>は、スポンサーであるいちごグループのノウハウを生かしてホテルの収益率を上げる内部成長と、堅調な宿泊ニーズによって、予想収益を上回る成長を遂げている。分配金実績は16年7月期2825円、17年1月期2917円(予想)、同7月期2838円(予想)と安定成長の見通しだ。おう盛な国内需要に加え、中・長期に需要が伸びる見通しにあるインバウンド(訪日外国人観光客)の取り込みによって業績の安定成長が期待される。

 いちごホテルリートは、宿泊主体・特化型ホテル19物件を保有している。札幌、東京、名古屋、京都、大阪、福岡などビジネスによるニーズが堅調なエリアを中心に全国に分散されている。また、近年、政府の積極的な後押しにより増加しているインバウンド旅行者の1泊当たりの宿泊代金はビジネスホテルの価格帯と重なり、同リートの平均客室販売単価(ADR)も8040円と、利用が活発なボリュームゾーンに合致している。

 また、同リートでは、収益の安定性と成長性の両面をバランスよく実現するため、固定賃料に加え、ホテルの収益に応じた変動賃料を導入している。景気下降局面での収益への影響を考慮し、変動賃料割合は40%程度をめどとしたうえで、今後も市況の変化を勘案し、投資主価値の最大化を追求するとしている。

 一方、いちごグループが培ってきた既存不動産に新しい価値を創造する「心築(しんちく)」のノウハウを生かし、たとえば、札幌のホテルにおいて、ツインルームを改装し、3つのベッドを入れるトリプルルームにして家族連れの旅行者に対応。また、年間稼働率が90%を超えるホテルでは、倉庫スペースや会議室スペースなど非収益スペースを客室に改装することで、ホテルの収益力を高めている。効果的かつ戦略的なCAPEX(戦略的投資)の実施によりホテルとしてのポテンシャルを引き上げ、ホテル用不動産の中・長期的な運用を可能にしている。

 同リートを運用するいちご投資顧問執行役(ホテルリート本部管掌)の岩井裕志氏は、「現在は需要や収益が相対的に安定した宿泊主体・特化型ホテルに優先的に投資しているが、ポートフォリオの規模や安定運用などを総合的に判断したうえで、より成長性を追求できるリゾートホテルやフルサービスホテルの取得もめざし、分散の効いた多様な収益によって安定成長をめざしたい」という。

 現在、約470億円の資産規模を、早期に1000億円程度に拡充する計画だ。「ホテルの売買マーケットは、オフィスビルや住宅などの他のアセットと比較すると小さいが、いちごグループ独自の「心築」ノウハウを生かした物件取得をめざす」(岩井氏)と、中期成長に自信を示している。
提供:モーニングスター社
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