<★★★★★>SMAM「高成長インド・中型株式ファンド」、内需主導で年率7%台成長するインドの魅力

 三井住友アセットマネジメントが設定・運用する「高成長インド・中型株式ファンド」<2011083106>は16年10月末基準でモーニングスターレーティング最高格付けの5つ★に格付けされた。3年(年率)トータルリターンが29.13%と、カテゴリー(国際株式・インド(F))平均(16.17%)を大きく上回り、カテゴリーでトップの成績だ。同ファンドの運用の特徴等について三井住友アセットマネジメント外部委託運用グループ ファンドマネージャーの松野太樹氏に聞いた。

 ――インド株式市場の魅力と、その中で中小型株式の特徴は?

 インド経済は、内需主導で年率7%台半ばの安定した高成長が続くと期待されている。(1)人口の半分以上が25歳以下という人口動態と、人口の70%が農村に住んでいるという構造的な要因(2)12億人を超える人口大国で、1人あたりGDPが年2000ドル未満にとどまる成長ポテンシャルの大きさ(3)モディ政権による経済改革の進展により、海外からの投資が一段と拡大する見通し――などが背景にある。

 たとえば、インドにおける耐久消費財の普及率は、2015年でルームエアコンが13%、自動車は6%、冷蔵庫は25%という状況にあり、今後、所得向上によって、消費拡大は必然といえる。

 特に、政治面での変化は大きく、14年の総選挙で誕生したモディ政権は30年ぶりに下院で単独過半数を獲得した安定政権になっている。それまでは連立政権だったため、意思決定の遅さなどから必要性が認識されながらも経済改革が進んでこなかった。下院は5年間の任期であるため、現在の安定した政権が2019年半ばまでは継続する。モディ政権のもとで進められている規制緩和、インフラ投資、破産法制定、GST(物品・サービス税)の導入などは、インド経済の成長を促進すると期待されている。

 中型株は、一般的に成長段階が若く、利益成長率が高いという魅力がある。また、インフラ投資の恩恵を受けるセメント企業、消費拡大の恩恵を受ける自動車などの耐久消費財、そして、消費者金融関連などの内需型の成長企業が多い。インドは内需主導での高成長が期待されることから、内需企業の多い中型株は投資対象として魅力的である。さらに、中型株には海外からの投資資金が少なく、割高に買い上げられている銘柄が少ないということも投資する魅力になっている。

 ――実質的な運用を行っているコタック・マヒンドラの運用の特徴は?

 コタック・マヒンドラは、インドのトップクラスの総合金融グループのひとつだ。中型株の運用では、一般に行われているボトムアップによるポートフォリオ構築に加え、トップダウン・アプローチを併用することによって、市場の変化をうまくとらえた運用をしているという特徴がある。

 まず、ボトムアップについては、経験豊富なムンバイのアナリストチームが、インド株式市場の時価総額上位350社のうち、300社程度をカバーして徹底的なリサーチを行っている。うち上位100社はインフォシス、タタ・モーターズ、製薬メーカーなどの海外売上主導の大手企業で、それ以外の企業は中小型企業になる。また、銘柄選定は、B(ビジネス)、M(マネジメント)、V(バリュエーション)の3つのポイントで企業評価し、中・長期での成長を実現できる優れた経営ビジョンと高い経営執行能力を有する企業を見極めようという姿勢が強い。

 トップダウンの事例としては、11年8月のファンド設定時は、インド経済が減速している局面で、生活必需品や情報技術などの組み入れを高めていたが、14年のモディ政権誕生を機に、景気敏感な内需関連銘柄のウエートを引き上げた。

 ――ファンドのリスク管理の考え方は?

 リスク分散には注意し、保有銘柄数はこれまでは60−70銘柄で構成し、集中投資型のポートフォリオにならないように配慮している。

 ――当面の運用方針は?

 足元のインド株式市場は、11月8日に突然発表された高額紙幣の廃止による混乱が悪材料となり、軟調に推移している。新通貨が広く流通するまでは、一般消費財や生活必需品業界に悪影響が続く可能性があるが、短期的な悪影響にとどまるとみている。当面の悪影響を乗り越えると、先延ばしにされた消費の反動増などが期待される。

 インドのファンダメンタルズは良好で、インフレ率の落ち着きから追加利下げも期待される。インドの経済が内需主導で成長を続けていることは、中国経済の減速や、米国の政策変更リスクなど外部環境によって経済成長が大きく左右されにくい安心感もあると思う。中・長期に高成長が続くと見込まれるインドに投資する手段として、是非、ご検討いただきたい。
提供:モーニングスター社
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