<初評価★★★★★>三菱UFJ国際投信「ザ・レジェンド」、S&P500配当貴族指数連動で安定成長実現

 三菱UFJ国際投信が設定・運用する「三菱UFJ 米国配当成長株ファンド<為替ヘッジなし>(愛称:ザ・レジェンド)」<2013120902>が設定から3年経過し、16年12月末基準で、初めてモーニングスターレーティング最高位の5つ★に評価された。3年(年率)トータルリターンは10.75%でカテゴリー(国際株式・北米<F>)平均(5.11%)を大きく上回った。同ファンドの特徴について、三菱UFJ国際投信 外部委託運用部 株式・リートグループ グループリーダーの冨田道也氏に聞いた。

――優れた運用成績を残した理由は?

 米国企業の業績が2016年4−6月期まで5四半期連続で減益など、エネルギーや素材関連を中心に厳しい状況にあったなか、当ファンドが連動をめざす「S&P500配当貴族指数」に採用される銘柄群は、25年以上連続で増配実施などキャッシュフローの創出力に優れた企業であるため、その事業基盤や技術力、ブランド力、人材などが比較優位に評価されたといえる。

 また、16年11月8日の米大統領選挙結果を受けて長期金利が上昇し始めたものの、それまでは、長きにわたって金利の低下傾向が続き、イールド(利回り)ハンティングの動きのなかで、株式の配当利回りが意識された点もパフォーマンスを引き上げる要因になっただろう。

 さらに、リーマン・ショック以降に、将来のキャピタルゲインよりも、足元のインカムゲイン(配当収入)を手に入れたい傾向が顕著となり、配当貴族指数の対象銘柄に向かったという側面もあると思う。

 S&P500配当貴族指数は、25年以上連続増配が実現できる安定した基盤をもった大型企業によって構成され、指数の値動きは安定的。現在、50銘柄で構成され、業種も比較的分散され、価格変動率の小さなポートフォリオになっている。

――インデックスファンドとして、同ファンドの特徴は?

 2013年12月の設定で、「S&P500配当貴族指数」に連動するインデックスファンドを他社に先駆けて設定した。運用を委託しているUBSアセット・マネジメント(UK)リミテッドでも、当時は、配当貴族指数に連動するインデックスファンドの運用実績はなく、初めてこの指数を紹介するという意味でも、画期的な商品だったと思う。

 通常のインデックスファンドと比較し、連続25年以上増配という条件を満たす企業には、「株主還元に積極的な姿勢を持っている」「ROAが高い(効率的な経営ができている)」「グローバルに展開し、世界の成長を取り込む強固なブランド力を持ち安定した収益基盤がある」という特徴が指摘できる。このような条件は株式の期待リターンを高めることにつながるといえ、付加価値の高い商品性になっている。魅力的なインデックスとして注目していただきたい。

――今後の米国株式市場の中で、引き続き高いパフォーマンスが続けられるか?

 トランプ大統領決定以降は、景気敏感株や成長株が好まれ、配当成長株や高配当株はパフォーマンスで劣後する状況にある。ただ、長い目で見れば、米国の高齢化など人口動態の変化などもあって、配当や配当成長へのニーズは強くなると考えられる。

 また、不景気な時代にあっても増配を可能とするキャッシュフロー創出力のある企業群は、景気後退局面の株価下落時にも下値が固いことが期待される。トランプ大統領の政策いかんによっては、株価の変調もあるだろうが、その場合にでも安心して投資ができるファンドだと考える。

 米国企業の業績は、現在16年10−12月期の発表シーズンだが、足元おおむね良好な決算が続いている。さらに、トランプ政権が内需を重視した景気刺激策を強く打ち出すと、小型株や成長株の物色が続く可能性もある。小型株や成長株への投資は、価格変動が大きくなりがちなため、安定したパフォーマンスが期待できる当ファンドは補完的な役割が期待できるといえる。資産クラス間の相関が高くなってはいるが、当ファンドは大型株で構成されたファンドであり、小型株ファンドとは値動きが異なると考えられる。

 一方、当ファンドと同じマザーファンドに投資する「三菱UFJ 米国配当成長株ファンド<為替アクティブヘッジ>」<2013120903>は、ドル円の変動について、シティグループ・ファースト・インベストメント・マネジメント・リミテッドが、市況環境に応じて「100%ヘッジ」が「ヘッジなし」かの判断をし、リスクコントロールする機能を付加している。為替リスクが気になる方は<為替アクティブリスク>もご検討いただきたい。
提供:モーニングスター社
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