<最優秀ファンド賞>GCIエンダウメントファンド(成長型)、米大学基金の運用に学ぶ一歩進んだ分散投資
GCIアセット・マネジメントが運用する「GCIエンダウメントファンド(成長型)」がモーニングスターアワード・ファンド オブ ザ イヤー2017バランス(成長)型 部門(対象ファンド数:808本)で最優秀ファンド賞を受賞した。同ファンドは2016年に優秀ファンド賞を受賞している。同ファンドの特徴についてGCIアセット・マネジメントのファウンダー代表取締役CEOの山内英貴氏に聞いた。
――「エンダウメント」とは?
「エンダウメント」とは、米国の有名大学の財団や基金のこと。ハーバード大学やイェール大学などのエンダウメントは運用業界でも尊敬される存在だ。近年は、年金基金やソブリン・ウェルス・ファンド(政府系ファンド)などがエンダウメントの運用モデルを取り入れている。そもそも米国大学の競争力強化の一環で、寄付金を運用して財力を高めることが志向され、当初は株式や債券を使った伝統的な分散投資だったが、特に返済期限のない寄付金の運用という特性に合わせて、従来の発想から一歩進めた分散投資の手法が取り入れられていった。
その特徴は、不動産や未公開株式、ヘッジファンドなどのオルタナティブ投資を積極的に取り入れていることだ。現在では、主要なエンダウメントは、資産の70%程度をオルタナティブ資産に投資している。オルタナティブ投資は、一般的に流動性(換金性)が低く、流動性を犠牲にして高いリターンが期待できる性格がある。
エンダウメントは、年に1回、投資委員会で基本ポートフォリオを決定し、1年間はリバランス等によって、そのポートフォリオを維持する投資戦略を取っている。
――「GCIエンダウメントファンド」の特徴は?
米国でエンダウメントの運用を2005年頃に視察した際、家計の資産運用との親和性が高いことを強く感じ、これを公募投信の形にできないかと考えた。機関投資家の資産運用は、銀行や保険会社、年金でも基本的に他人のお金を一時的に預かって運用している。四半期ごとの決算があり、一定期間の後の換金(返済)を計画して運用する必要がある。ところが、家計の余裕資産で行う運用は、数十年という長い期間にわたって運用することができる。これは、エンダウメントと同じ条件だ。
ただ、公募投信は、小口資金に対応し、日々の設定・解約ができるようにしなければならないので、流動性の低いオルタナティブ資産を組み入れることはできない。近年になって、流動性を兼ね備えた「リキッド・オルタナティブ」という手法が生み出され、当社独自に安定した運用実績のあるオルタナティブファンドもできたため、これを組み入れた公募投信を設定した。
「GCIエンダウメントファンド」は、オルタナティブファンドを資産の3分の1ほど組み入れ、資産全体の変動率を抑えている。1年間のリスク水準の目安を8%とする「成長型」と、同5%の「安定型」がある。「成長型」は、現役世代の資産運用、または、積み立て投資の対象商品に相応しいと考える。「安定型」は、リスクを抑えることによって、投資期間がより短い5年−10年程度に対応することを意図している。
また、信託報酬等の手数料水準は抑えた。運用は、ファンド・オブ・ファンズ形式で行っているが、信託報酬は年0.65%で、運用資産残高が500億円を超えると0.55%になる。組み入れているファンドのコストも考慮したトータル運用コストは年1.2%程度にしている。
――独自のオルタナティブファンドとは?
クオンツ運用によるシステマティック・マクロ戦略を使っている。人間の投資判断を一切排除しているため、たとえば、2016年6月のBrexit(英国のEU離脱)の折には、ポンド/円でショートポジションを取って1日で12%の利益を出すなど、一般的な人間の行動とは異なる投資行動をとることがある。年金や銀行といった機関投資家の資産運用に提供しているが、株式や債券などの伝統的な金融資産とは異なる運用成績を残すファンドとして評価していただいている。
――今後の運用の見通しは?
長期で資産形成を行う場合、一番大事なことは意図せぬ損切りをしないということだ。リスクを一定水準に抑えるという発想は重要だ。当ファンドは、リスクを抑えた中で、できるだけ効率的なリターンを取る運用をめざしている。投資期間を10年以上で考えていただければ、いつ購入しても、しっかりした結果をご提供できるファンドの仕組みになっていると思う。資産運用のコアを任せるファンドとしてご検討いただきたい。
提供:モーニングスター社
――「エンダウメント」とは?
「エンダウメント」とは、米国の有名大学の財団や基金のこと。ハーバード大学やイェール大学などのエンダウメントは運用業界でも尊敬される存在だ。近年は、年金基金やソブリン・ウェルス・ファンド(政府系ファンド)などがエンダウメントの運用モデルを取り入れている。そもそも米国大学の競争力強化の一環で、寄付金を運用して財力を高めることが志向され、当初は株式や債券を使った伝統的な分散投資だったが、特に返済期限のない寄付金の運用という特性に合わせて、従来の発想から一歩進めた分散投資の手法が取り入れられていった。
その特徴は、不動産や未公開株式、ヘッジファンドなどのオルタナティブ投資を積極的に取り入れていることだ。現在では、主要なエンダウメントは、資産の70%程度をオルタナティブ資産に投資している。オルタナティブ投資は、一般的に流動性(換金性)が低く、流動性を犠牲にして高いリターンが期待できる性格がある。
エンダウメントは、年に1回、投資委員会で基本ポートフォリオを決定し、1年間はリバランス等によって、そのポートフォリオを維持する投資戦略を取っている。
――「GCIエンダウメントファンド」の特徴は?
米国でエンダウメントの運用を2005年頃に視察した際、家計の資産運用との親和性が高いことを強く感じ、これを公募投信の形にできないかと考えた。機関投資家の資産運用は、銀行や保険会社、年金でも基本的に他人のお金を一時的に預かって運用している。四半期ごとの決算があり、一定期間の後の換金(返済)を計画して運用する必要がある。ところが、家計の余裕資産で行う運用は、数十年という長い期間にわたって運用することができる。これは、エンダウメントと同じ条件だ。
ただ、公募投信は、小口資金に対応し、日々の設定・解約ができるようにしなければならないので、流動性の低いオルタナティブ資産を組み入れることはできない。近年になって、流動性を兼ね備えた「リキッド・オルタナティブ」という手法が生み出され、当社独自に安定した運用実績のあるオルタナティブファンドもできたため、これを組み入れた公募投信を設定した。
「GCIエンダウメントファンド」は、オルタナティブファンドを資産の3分の1ほど組み入れ、資産全体の変動率を抑えている。1年間のリスク水準の目安を8%とする「成長型」と、同5%の「安定型」がある。「成長型」は、現役世代の資産運用、または、積み立て投資の対象商品に相応しいと考える。「安定型」は、リスクを抑えることによって、投資期間がより短い5年−10年程度に対応することを意図している。
また、信託報酬等の手数料水準は抑えた。運用は、ファンド・オブ・ファンズ形式で行っているが、信託報酬は年0.65%で、運用資産残高が500億円を超えると0.55%になる。組み入れているファンドのコストも考慮したトータル運用コストは年1.2%程度にしている。
――独自のオルタナティブファンドとは?
クオンツ運用によるシステマティック・マクロ戦略を使っている。人間の投資判断を一切排除しているため、たとえば、2016年6月のBrexit(英国のEU離脱)の折には、ポンド/円でショートポジションを取って1日で12%の利益を出すなど、一般的な人間の行動とは異なる投資行動をとることがある。年金や銀行といった機関投資家の資産運用に提供しているが、株式や債券などの伝統的な金融資産とは異なる運用成績を残すファンドとして評価していただいている。
――今後の運用の見通しは?
長期で資産形成を行う場合、一番大事なことは意図せぬ損切りをしないということだ。リスクを一定水準に抑えるという発想は重要だ。当ファンドは、リスクを抑えた中で、できるだけ効率的なリターンを取る運用をめざしている。投資期間を10年以上で考えていただければ、いつ購入しても、しっかりした結果をご提供できるファンドの仕組みになっていると思う。資産運用のコアを任せるファンドとしてご検討いただきたい。
提供:モーニングスター社