<最優秀ファンド賞>損保ジャパン日本興亜AM「ジェイブリッド」、国内金融機関のハイブリッド証券の魅力

 損保ジャパン日本興亜アセットマネジメントが運用する「日本金融ハイブリッド証券オープン(毎月分配型)円ヘッジありコース『愛称:ジェイブリッド』」がモーニングスターアワード・ファンド オブ ザ イヤー2017債券型 部門(対象ファンド数:1028本)で最優秀ファンド賞を受賞した。「ジェイブリッド」の運用について、同社債券運用部長の平松伸仁氏に聞いた。

 ――ハイブリッド証券とは?

 「債券」と「株式」の性格を併せ持つ証券のこと。具体的には、「期限付劣後債」「永久劣後債」「優先出資証券」などがある。

 発行体が破たんした場合に普通社債よりも弁済を受ける順番が低くなることを意味する「劣後」がついている社債がある。劣後が付いているため、高い利回りが得られるメリットがある。また、普通株式に比べて優先して配当が付く半面、株主総会等での議決権はないなど株式の権利が一部制限されているのが「優先出資証券」だ。

 ――「ジェイブリッド」の特徴は?

 このファンドは、2013年に設定した。日銀が「異次元緩和」を打ち出したことで、ゼロ金利時代が相当長引くだろうと感じた。普通社債等への投資では十分な利回りが期待できない中、社債より高いリスクは取るが、少しでも利回りを得たい場合の投資対象になると考えた。

 多くの方々が銀行預金をしているが、1000万円までは預金保険で守られているものの、それ以上の資金は銀行の信用リスクをとっている。メガバンクといわれる大手銀行には、めったなことがないだろうと多くの方が、その信用リスクを許容していると思う。また、メガバンクに並ぶような信用力のある国内の大手生損保の信用リスクも多くの方々に受け入れていただけると考えた。

 当ファンドはこうした背景から設定した商品であり、ハイブリッド証券への投資により高利回りが期待できること、証券の発行体を日本の大手金融機関に絞ることにより信用リスクの対象が明確であることが、主な特徴である。主としてドル建ての証券に投資するが、為替は原則としてフルヘッジし為替リスクは取らない。

 ――現在の運用の中味は?

 2017年12月末現在で、投資銘柄数は8銘柄。期限付き劣後債に約70%、永久劣後債に約30%という比率で投資している。投資している証券の発行体は、第一生命、明治安田生命、日本生命、住友生命という大手生保、みずほフィナンシャルグループ、三井住友フィナンシャルグループのメガバンク、そして、三井住友海上火災保険だ。

 ポートフォリオのデュレーションが6.3年で、利回りが4%程度。ヘッジコストを控除しても2%程度(信託報酬控除前)の利回りが確保できている。ヘッジコストについては、今後、アメリカの利上げが実施されることによって、一段と上昇することが考えられるが、2%程度の利回りを確保できているので、当面の利上げには十分耐えうる利回りを確保できていると思う。

 ――運用リスクは?

 ハイブリッド証券への投資にあたっては、発行体の信用(破綻)リスクが、最も警戒すべきリスクである。当社は経験豊富なクレジットアナリストを擁しており、万一に備えたリスク管理体制が整備されている。

 日本の大手金融機関の破綻リスクが高まる場合には、おそらく、お客さま自身も比較的早い段階で、新聞やTV等で情報に触れることになるのではないかと考える。

 そのほか、ハイブリッド証券には繰上償還されない(コールスキップ)リスクが存在する。ハイブリッド証券は繰上償還日が設定されている場合が多く、通常は初回繰上償還日に償還されることを前提に取引されている。そのため、繰上償還されないと証券の価格が下落することが多い。海外の金融機関はコールスキップすることが散見されるが、日本の金融機関のハイブリッド証券が初回繰上償還日に償還されなかったことは極めて例外的である。当ファンドが投資対象を日本の金融機関に絞っているのは、このリスクを回避するためでもある。

 ――どのような投資に相応しい?

 「ジェイブリッド」は、現在のところ一定の利回りが期待できる魅力的な投資対象と考える。依然として国内の低金利状態が続く見通しにある中、お馴染みの金融機関が発行する証券に投資することにより、預貯金プラスαの利回りを狙うものであり、預貯金から資産運用に一歩踏み出す投資対象として、ご検討いただきたいと考える。
提供:モーニングスター社
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