<最優秀ファンド賞>スパークス・日本株・ロング・ショートF、価格変動リスクを抑えて高いリターンを実現

 スパークス・アセット・マネジメントが運用する「スパークス・日本株・ロング・ショートファンド」(愛称:ベスト・アルファ)が、モーニングスターアワード・ファンド オブ ザ イヤー2017オルタナティブ型 部門(対象ファンド数:126本)で最優秀ファンド賞を受賞した。価格変動リスクを抑え、高いトータルリターンを実現していることが評価された。同ファンドの運用について、スパークス・アセット・マネジメント運用調査副本部長であり、同ファンドのマザーファンドの運用も担当する常峰隆一氏に聞いた。

 ――ロング・ショート戦略とは?

 スパークス・アセット・マネジメントは1989年の創業以来、「マクロはミクロの集積である」という投資哲学のもと、徹底したボトムアップ・リサーチにより投資対象企業を発掘してきた。株式投資とは「株価を買う」のではなく「企業に投資すること」であると考えている。優れた会社の株式を長期的に保有し、その利益を享受することがスパークスの株式投資の基本だ。しかし、既に成熟した日本経済では右肩上がりの成長を見込むことは望みにくく、社会の変化に適応できる企業は大きく成長し、そうでない企業は衰退を余儀なくされるような環境であり、優れた企業とそうでない企業の差が大きく開く強弱感の鮮明な市場といえる。

 「ベスト・アルファ」は、国内株式のロング、つまり買い建てだけでなく、ショートを組み合わせた「ロング・ショート戦略」で運用することが最大の特徴だ。ショートとは株式を空売りし、株価が下落したときに買い戻すことで、下落分を収益とする投資手法のこと。ロングが「安く買って高く売る」戦略なら、ショートはその逆の「高く売って安く買う」という戦略だ。

 国内で個人投資家向けに売られている株式型の投資信託は、大半がロングのみの運用で、ロング・ショート戦略は多くの個人投資家にとってなじみが薄いと思う。通常のロングオンリーのファンドは、市場平均が上昇する局面では値上がりし、下落局面では値下がりしやすいという分かりやすさがあるが、景気後退時に利益を出しにくいことは否めない。ショートを用いることで株価の下落を利益に変えられるので、株式市場の変動に左右されずに「優れた企業」と「そうでない企業」との差を安定的に収益としてあげることが可能だ。

 スパークスは、1997年から国内株式のロング・ショート戦略を運用している、日本における同戦略のパイオニアだ。ITバブルやリーマン・ショック、東日本大震災などの難局を何度も乗り越えた豊富な経験は当社の強みだ。

 ――「ベスト・アルファ」の特徴は?

 ロング・ショート戦略というと、いわゆるヘッジファンドを思い浮かべて、リスクが高いというイメージを持たれる方も多いと思うが、実際には当ファンドはショート投資が株式市場の変動リスクを打ち消してくれるため、ロングオンリーのファンドと比べてリスクが低い投資戦略となっている。

 当ファンドの特徴は、一般的なヘッジファンドのように短期で売買を繰り返すのではなく、あくまで長期的な視点に立って銘柄選択を行う点にある。経営者や成長性、ビジネスの質から企業の実態価値を計測し、それが市場価値である株価を上回る銘柄を評価するという従来のボトムアップ・リサーチは、そのままショート戦略にも当てはめられ、企業の価値に対して株価が割高と判断された銘柄がショートの対象となる。売買の頻度は、ロングは1年以上保有することが多いのに対し、ショートはおおむね6カ月〜1年程度で銘柄を入れ替える。

 原則として、ロングをショートより多く保有するのも当ファンドの特徴だ。その根拠は、優れた企業は長期的に成長を続けることができるという大原則だ。株価には下はゼロという限界があるが、上は無限大。優れた企業の成長を享受するために、ファンド全体としてはロング寄りの構成にしている。大型株から中小型株まで時価総額によらず幅広い銘柄を組み入れるのも、市場全体の変動による影響を抑えるための戦略だ。

 ――今後の運用の見通しは?

 これからの日本社会は正常なインフレ経済のもとゆるやかな成長が続くと見ている。しかし全ての企業の株価が値上がりするほど楽観的な経済環境にはならないこと、人口減少など社会構造が劇的に変化することから、勝ち組と負け組の差は圧倒的になり、少数の勝ち組と大多数の負け組が生まれることになると考えている。市場動向に左右されずに、日本市場の豊富なショート投資機会を収益化できるロング・ショート戦略にとっては絶好の機会が来たと興奮している。
提供:モーニングスター社
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