<NY株暴落でどうなる>2月急落時にリターン上位となったカテゴリーは!?

 10月10日の米国株式市場は、米長期金利の上昇を受けて大幅安となり、NYダウは前日比831.83ドル安の2万5598.74ドルとなった。下落幅は、今年2月5日の1175.21ドル、同8日の1032.89ドルに続く史上3番目の大きさとなった。前回2月の急落は米1月雇用統計を受けた長期金利の上昇がきっかけであり、今回の急落は前回の急落と似ているといえる。前回の急落後の国内ファンドの動きを見ることは、今後の参考となろう。

 前回2度目の急落となった2月8日から1カ月後の3月8日までのモーニングスターカテゴリー別のトータルリターンを見ると、ブルベア型を除く73カテゴリー中、プラスのリターンを獲得したのは16カテゴリーに留まった。リターン上位を見ると、「国内小型グロース」が1.94%でトップとなり、以下、「国際株式・中国(為替ヘッジあり)」(1.15%)、「国際株式・エマージング・複数国(為替ヘッジあり)」(1.13%)、「国際株式・グローバル・含む日本(為替ヘッジあり)」(0.94%)、「国際株式・グローバル・除く日本(為替ヘッジあり)」(0.82%)と続いた。

 次に、リターン下位を見ると、1位の「国際株式・インド(為替ヘッジなし)」(−6.55%)に続いて、2−4位に「国内大型バリュー」(−4.52%)、「国内中型バリュー」(−3.91%)、「国内大型ブレンド」(−3.48%)が並び、第5位は「国際債券・エマージング・複数国(為替ヘッジなし)」(−3.42%)となった。

 国内株式に投資するカテゴリーにおいては、大型、中型が全体相場の影響を受けておおむね低調なパフォーマンスとなった一方で、全体相場の影響を受けづらい小型ではグロースが堅調さを保ち、「国内小型バリュー」(−0.46%)、「国内小型ブレンド」(−0.89%)も底堅かったといえる。

 「国際株式・インド(為替ヘッジあり)」がリターン下位で1位となったが、同期間(2月8日−3月8日)の主な新興国の株式市場の動きを見ると、ブラジル、ロシア、中国など他の新興国が売り一巡後に切り返してプラスとなったのに対して、インドは3%超の下落となった。新興国には米金利上昇による資金流出など悪影響を警戒する見方が広がったが、インド以外が切り返したことで、「国際株式・中国(為替ヘッジあり)」、「国際株式・エマージング・複数国(為替ヘッジあり)」がリターン上位へランクインした。

 米国を起点とした世界的な株価急落に見舞われたにもかからず、リターン上位に、「国際株式・グローバル・含む日本(為替ヘッジあり)」、「国際株式・グローバル・除く日本(為替ヘッジあり)」が並んでいる点にも注目したい。同期間の日米欧主要国の株価を見ると、日経平均株価が2%超下落するなど低調であった日本に対し、株安の震源地となった米国でNYダウが4%超上昇し、欧州諸国も切り返した。

 前回の経験に習うとすれば、(1)国内株式に投資するカテゴリーでは小型グロース、(2)株安の震源地である米国株式の切り返しが確認されれば、先進国からなるグローバル株式に投資するカテゴリーが注目されよう。なお、新興国株式に投資するカテゴリーについては、米中貿易摩擦や通貨安の影響を注視する必要がある。
提供:モーニングスター社
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