<NY株暴落でどうなる>米ETF“勝ち組”に変調、債券は金利感応度で明暗
10日の米国株式市場で、ダウ工業株30種平均が前日比831.83ドル安(−3.14%)と大幅に下落する中、ETF(上場投資信託)も米国株式型を中心に売りが広がる展開となった。特に目立ったのが、これまでの米国株式市場の上昇をけん引してきたセクターやスタイルのETFが調整色を強めたことだ。
米国上場のうちデータが取得可能なETF1980本について10日のトータルリターン(米ドルベース)をモーニングスターのカテゴリー別に平均したところ、ブルベア型を除くと最も下落したのが「テクロノジー」で−4.60%、次いで「エネルギー」の−4.17%、「大型グロース」の−4.12%、「中型グロース」の−3.57%などとなっている。これらのカテゴリーについて年初来(18年9月末まで)のトータルリターンの平均を見ると、「テクロノジー」は21.74%でブルベア型を除くと上昇率で第1位、「エネルギー」は11.99%で第6位、「大型グロース」は16.99%で第5位、「中型グロース」は11.43%で第7位となっており、いずれもトップ10に入り二ケタの上昇率を達成する18年の“勝ち組”であった。
年初来はスタイルでは割安度を重視するバリューよりも成長性を重視するグロースの優位が鮮明であったが、10日はグロースの下落が顕著となっている。
また、「テクロノジー」の中で10日に最も下落したのは、「AdvisorShares New Tech and Media ETF」というETFで、−5.95%となった。同ETFは、銘柄を識別するためのティッカーがその名も「FNG」で、いわゆる「FANG」(フェイスブック、アマゾン・ドット・コム、ネットフリックス、グーグルの頭文字)のようなテクノロジーやメディアの次世代企業に着目してポートフォリオを構築している。今後もこうしたハイテク系銘柄の資金の巻き戻しが続く可能性に注意が必要だ。
一方、リスク回避局面での資金の逃避先になる債券について、10日のトータルリターンのカテゴリー別平均を見ると、「長期国債」が−0.32%、「中期債」が−0.10%とマイナスのリターンに沈む一方、「短期国債」が0.02%、「超短期債」が0.01%となるなどプラスのリターンを維持した。10日は米長期金利上昇への懸念が米株安の要因となったが、債券の中でも年限が短めで金利変動の影響を受けにくいタイプは比較的に持ちこたえている。
この動きは年初来のトータルリターンで見ても同様で、「長期国債」が−4.40%、「中期債」が−1.43%となる一方で「短期国債」は0.16%、「超短期債」は1.51%と底堅いパフォーマンスだ。金利先高観を背景にした投資家の行動に大きな変化はなく、分散投資先として債券の中でも選別を行っていると言えるだろう。
提供:モーニングスター社
米国上場のうちデータが取得可能なETF1980本について10日のトータルリターン(米ドルベース)をモーニングスターのカテゴリー別に平均したところ、ブルベア型を除くと最も下落したのが「テクロノジー」で−4.60%、次いで「エネルギー」の−4.17%、「大型グロース」の−4.12%、「中型グロース」の−3.57%などとなっている。これらのカテゴリーについて年初来(18年9月末まで)のトータルリターンの平均を見ると、「テクロノジー」は21.74%でブルベア型を除くと上昇率で第1位、「エネルギー」は11.99%で第6位、「大型グロース」は16.99%で第5位、「中型グロース」は11.43%で第7位となっており、いずれもトップ10に入り二ケタの上昇率を達成する18年の“勝ち組”であった。
年初来はスタイルでは割安度を重視するバリューよりも成長性を重視するグロースの優位が鮮明であったが、10日はグロースの下落が顕著となっている。
また、「テクロノジー」の中で10日に最も下落したのは、「AdvisorShares New Tech and Media ETF」というETFで、−5.95%となった。同ETFは、銘柄を識別するためのティッカーがその名も「FNG」で、いわゆる「FANG」(フェイスブック、アマゾン・ドット・コム、ネットフリックス、グーグルの頭文字)のようなテクノロジーやメディアの次世代企業に着目してポートフォリオを構築している。今後もこうしたハイテク系銘柄の資金の巻き戻しが続く可能性に注意が必要だ。
一方、リスク回避局面での資金の逃避先になる債券について、10日のトータルリターンのカテゴリー別平均を見ると、「長期国債」が−0.32%、「中期債」が−0.10%とマイナスのリターンに沈む一方、「短期国債」が0.02%、「超短期債」が0.01%となるなどプラスのリターンを維持した。10日は米長期金利上昇への懸念が米株安の要因となったが、債券の中でも年限が短めで金利変動の影響を受けにくいタイプは比較的に持ちこたえている。
この動きは年初来のトータルリターンで見ても同様で、「長期国債」が−4.40%、「中期債」が−1.43%となる一方で「短期国債」は0.16%、「超短期債」は1.51%と底堅いパフォーマンスだ。金利先高観を背景にした投資家の行動に大きな変化はなく、分散投資先として債券の中でも選別を行っていると言えるだろう。
提供:モーニングスター社