中国ハイテク株上昇、“国有企業除く”ETFに注目

 26日の香港株式市場は香港ハンセン指数が前営業日比1.72%高と反発したが、上昇が目立ったのがテンセントなどの主力ハイテク株だ。米国ETF(上場投資信託)市場では、中国株式の中でもハイテク株など成長期待が高い銘柄を中心に投資するETFもあり、主要な中国株ETFと差別化を図った商品として注目される。

 その一つが「ウィズダムツリー 中国株ニューエコノミー」(ティッカー:CXSE)。中国政府の持ち株比率が20%を上回る銘柄を国有企業として投資対象から除く点が特徴だ。23日時点の組入比率上位はトップがアリババで11.8%、第2位がテンセントで11.6%、第3位がバイドゥで6.7%などで、主力ハイテク株への投資比率が高い。一方、一般的な中国株ETFに組み入れられることが多いチャイナ・モバイルや中国建設銀行などの国有企業は保有していない。

 組入銘柄の成長期待、収益率の高さはCXSEの主要な株価指標にも表れている。「iシェアーズMSCIチャイナETF」(ティッカー:MCHI)とCXSEを比べると、10月末時点でPER(株価収益率)はMCHIの11.08倍に対して、CXSEは13.78倍、ROE(自己資本利益利率)はMCHIの17.43%に対して、CXSEは19.91%といずれも上回る。もっとも、同月末時点の保有銘柄数はMCHIが299銘柄と分散の効いたポートフォリオとなっているのに対して、CXSEは147銘柄と、非国有企業に絞り込んでいる分少ない銘柄数となっている点には留意する必要がある。

 CXSEの10月末時点のモーニングスターレーティングは4ツ星と良好で、国内証券会社でも購入可能となっている。なお、同じく国内証券会社で取扱いがある中国ETFとしては「ヴァンエック・ベクトル中国AMC中小企業・創業板」(ティッカー:CNXT)があり、業種構成比率ではテクノロジーセクターの比率が27.1%で最も高い。
提供:モーニングスター社
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