コスト“ゼロ”に対抗、バンガード38ファンドの最低投資額大幅引き下げ

 米投信市場でコスト競争が一段と激化している。フィデリティが日本の信託報酬にほぼ相当するエクスペンスレシオが無しのインデックスファンドを投入したのに対して、インデックスファンド最大手のバンガードは先週、38本のインデックスファンドの最低投資額を10000ドル(約113万円)から3000ドル(約34万円)へ大幅に引き下げた。

 バンガードが最低投資額を引き下げたのは「アドミラルシェア」と呼ばれる、一定額以上の投資を条件としてエクスペンスレシオが低く設定されているシェアクラス。コスト競争力が高いシェアクラスに投資する上で金額面のハードルを下げることで、より多くの資金を獲得する狙いがある。

 最低投資額引き下げの対象となるファンドの中には純資産残高6085億ドルで米投信トップの「バンガード・トータル・ストック・マーケット・インデックス・ファンド」や、純資産残高3321億ドルで第2位の「バンガード・500・インデックス・ファンド」も含まれる。

 フィデリティは8、9月にエクスペンスレシオ無しのファンドを4本設定し、業界で大きな注目を集めたが、10月末時点での純資産残高は4ファンドの中で最大の「フィデリティ・ゼロ・トータル・マーケット・インデックス」でも13億ドルにとどまっている。バンガードなど競合に対して今後残高が伸ばせるのか注目される。
提供:モーニングスター社
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