米国でAI活用ETFじわり増加―大手参入、ワトソンや著名投資家も関与

 米国でAI(人工知能)・ビッグデータなどを運用に活用するETF(上場投資信託)がじわり増加している。18年の年初来で27日までに少なくとも10本が設定され、大手も参入する中で市場が拡大するか注目される。

 今年7本のAI運用ETFを一挙に投入し、この分野で存在感を強めているのがETF大手のiシェアーズだ。ファンド名に「evolved(進化した)」と付く7本の米国株式のセクターETFは、AIを用いてセクター分類を行う点に特徴がある。事業環境が急速に変化する中でより実態に即したセクター区分を行うことが重要との考えに基づき、各企業の関連文書を対象にテキスト解析を実施、その結果に基づき分類するなど工夫を凝らしている。

 エキュボット社が運用する「エキュボットAIパワード・インターナショナル・エクイティETF」(ティッカー:AIIQ)はIBM社のAIであるワトソンを活用し、世界の株式を対象に、ニュースやソーシャルメディア、市場のシグナルなどのビッグデータの分析を基に銘柄を選定。今後1年間で高リターンが見込める80から250銘柄でポートフォリオを構築する。

 一方、「ロジャーズAIグローバル・マクロ・ETF」(ティッカー:BIKR)は、著名投資家のジム・ロジャーズ氏が会長を務めるオーシャン・キャピタル・アドバイザーズ社が運用する世界株式を対象とするETFだ。同氏を中心としたチームが開発したAIを用いて、世界の経済データを分析することにより国別配分などを決定している。

 いずれのETFも運用期間が短いため、実力は未知数で、運用規模も少ないファンドが多い。また、いずれのETFも日本の証券会社では取り扱いがない。一方、国内投信市場においてはAIを活用して運用するファンドが相次ぎ登場しており、運用規模が大きい代表的なファンドとしては「GS グローバル・ビッグデータ投資戦略B(H無)」<2017022405>、「AI(人工知能)活用型世界株ファンド」<2017092904>などがある。
提供:モーニングスター社
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