国内リートファンド相次ぐ分配金引き下げ、17年上回るペース

 国内リート(不動産投資信託)ファンドの分配金引き下げが相次ぎ、改めて資金動向とパフォーマンスに与える影響が注目されそうだ。15日には「新光 J−REITオープン」<2004042302>が1万口当たりの分配金を70円から40円に引き下げたのに続き、22日には「J−REITパッケージ」<2004041201>も70円から40円に引き下げている。

 国内公募追加型株式投信のうち、10月末時点でモーニングスターカテゴリー「国内リート」に属する毎月分配型ファンドを対象に分配金の変更状況を調べたところ、18年には11月27日までに8ファンドが引き下げを実施した。月別に見ると、3月に1件、4月に4件、9月に1件、11月に2件と、引き下げ傾向が収束に向かう状況とはまだ言い難い。17年は7ファンドが引き下げを実施しており、18年はすでに前年を上回るペースとなっている。

 特に直近では、11月に分配金を引き下げた「新光 J−REITオープン」は純資産残高が27日時点で1534億円と、カテゴリー内40ファンド中第5位と比較的運用規模が大きいこともあり、資金動向に与える影響が懸念される。

 国内リートファンドを巡っては過度な分配金の支払いへの批判を背景に昨年から今年にかけて資金流出が強まる場面があり、パフォーマンスの悪化要因となっていた。足元では28日に東証REIT指数が17年2月27日以来約1年9カ月ぶりの高値を付けるなど好調だが、国内リートファンドの分配金引き下げが続けば再び上値の重い展開となる可能性があり、注目される。
提供:モーニングスター社
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