ウクライナ危機による経済制裁に揺れるロシア、中央銀行はインフレリスクを警戒?

 26日のロシア金融市場では、ウクライナとの紛争が再度激化するとの見方が広まったこと、制裁が再び強化されるのではとの懸念が広まったことで、一時的に通貨安、株安、債券安トリプル安の展開となった。2014年の際の急落と比べると制裁への耐性は強まっているという見方があるものの、直近ではロシアの輸出の中で大きなウエートを占める原油価格の下落傾向などもあり関心を持っている投資家も多いだろう。

 そこでロシア市場の昨年12月末−11月27日までの動向に目を向けてみると、代表的な株式指標であるMOEXロシア指数が10.8%の上昇を示す一方で、為替は14.21%の円高/ロシアルーブル安、ロシア10年国債利回りは1.37%の上昇(債券価格は15.42%の下落)となっており、株高の一方で債券安、為替安となっていることである。

 注目すべきはロシアでは2018年9月に政策金利を2014年12月に約4年ぶりに7.25%から7.50%に引き上げしているが、この理由としてインフレが中央銀行の短期的見通しを上回って上昇していることを挙げており、2019年には4%前後を上回る5−5.5%の見通しを示している。政策金利は10月には据え置いたものの、ほとんどのインフレ指標が高まりを見せることに警戒する姿勢を示しており、景気悪化局面における引き揚げも視野に入れている可能性がある点で注意が必要である。

 現在、国内籍公募投信で「ロシア」の名称を有するファンドは24本、うち通貨選択型ファンドは10本あるが、政策金利の動向にも注意してみていく必要がある。
提供:モーニングスター社
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