米新築住宅販売は減少も、北米REITへの影響は限定的か―米賃貸住宅は堅調

 米商務省が28日に発表した10月の新築一戸建て住宅販売件数(季節調整済み、年率換算)が9月末時点の59万7千戸から54万4千戸になり、前月比で8.9%減と急減速し2016年3月以来の低水準になった。中古市場の減速も相まって、米国では米景気拡大をけん引してきた住宅市場で変調の兆しが見え始めたのではないかという見方もある。

 一方で、米国REIT(不動産投資信託)が投資対象とする賃貸住宅市場は異なった状況となっている。住宅価格の高騰などから賃貸住宅のニーズは堅調さを持続しており空室率は7.1%と、2014年第2四半期以降6.8%−7.5%のレンジ内の範囲にある。

 米国を代表するFTSE Nareit All Equity REITs指数における賃貸住宅の割合は2018年10月末時点で11.0%と、インフラストラクチャーの13.8%より低く、ヘルスケアが9.9%、オフィスが9.2%で続いている。

 同月末時点でモーニングスターカテゴリーが「国際REIT・北米(為替ヘッジなし)」に属するファンドの純資産額上位5本の業種別組入比率を見ると、住宅セクターへの投資は10%台〜20%台前半の範囲にとどまり他の主要セクターにも分散が図られている。このことから米新築住宅販売件数の減少による直接的な影響はいまのところ限定的なものにとどまるとみられる。
提供:モーニングスター社
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