「ポイントなら損をしてもいい」が投資体験のきっかけに=三菱UFJ国際投信が考えるポイント投資の魅力
買い物等で貯まったポイントを使った投資サービスが広がっている。三菱UFJ国際投信の商品マーケティング推進部長の吉田研一氏は、同社の消費者アンケート調査などに基づいて「ポイント投資が投資未経験の方々を投資に導くきっかけとして有効な手段になる」と語る。「ポイント発行額は残高が2兆円に迫っている。何らかのポイントを独自に発行している銀行も多く、ポイント投資を導入することによって全国レベルで、投資未経験の若者に投資デビューのきっかけをつくることができる」と分析している。
クレディセゾンが「永久不滅ポイント」を運用して増やす「ポイント運用」を開始したのは2016年12月。運用コースの追加、個別株式での運用なども加えて既に30万人以上の利用者を獲得したという。また、NTTドコモは「dポイント」、楽天市場は「楽天スーパーポイント」を使って、それぞれ投資信託の基準価額に連動してポイントが増減するサービスを提供している。
また、楽天証券が「楽天スーパーポイント」などを投資信託の買付代金の一部、または、全部に利用できるサービスを開始。こちらは、証券口座を開設しているので、つみたてNISAなどのNISA口座や特定口座などに対応している。SBI証券でもCCCマーケティングと合弁設立した「SBIネオモバイル証券」で「Tポイント」を活用した投資サービスを来春にスタートすると発表している。
吉田氏は、「インターネットを通じて1万人調査を毎月実施しているが、2017年9月以来、今年10月までの結果で『つみたてNISA』と『投資信託』の両方を知らないという人が、毎回6割程度は存在する。この投資について『無関心』といえる方々にも『ポイントを運用して増やす』というコンセプトを通じて、運用のきっかけにすることができる」と説く。
同社が今年11月20日に行った「ポイント投資を利用している投資未経験者へのアンケート調査」では、有効回答数は206だったが、回答内容を分析すると「ポイント投資は投資のすそ野拡大に大いに貢献できる」と感じたという。回答者の属性は、男女比はほぼ半々、40代が最も多いが20代−60歳以上まで幅広い年齢層に分布している。実際に利用している主なポイント投資サービスは、「ポイント運用by楽天PointClub」(楽天市場)、「dポイント投資」(NTTドコモ)、「永久不滅ポイント運用サービス」(クレディセゾン)だった。
吉田氏が注目したのは、「ポイント投資を始めた理由」。「ポイントが増やせそうだったから」が78.2%と第1位だったが、第2位の「ポイントなら実際のお金と違い、損をしてもいいと思ったから」が33%も存在していたこと。「ポイント投資をしている人の3人に1人は、『ポイントだから』投資をしている。ポイントでなければ投資を始めなかったといえる。つまり、「消費者はポイントはサービスで付与された意識があり、現金と同じ価値を有していても現金と比べて使用する心理的ハードルが低い。給与などとは区別して異なる扱いをしていることが分かる」という。
そして、ポイント投資をきっかけに、実際の投資を始めた人が26%。実際の投資に興味を持った(実際には何もしていない)人が27%。50%強の人が、投資に興味を持っている。実際にポイント投資をはじめてポイントが増えたと答えている人は24.3%なので、直接的な収益メリットがなくても、投資経験をしたことが、次の投資への呼び水になっていることもうかがえる。ポイント投資の満足度は77%と高い。
吉田氏は、「たとえば、地方銀行64行のうち、ポイントを用いたサービスを実施しているのは55%を占める。ほとんどが銀行独自のポイントを付与する仕組みだ。そして、ポイントの使い道は、現在のところ、金利優遇やATM利用手数料の無料などにとどまっている。ポイントの利用範囲を少し広げて、ポイント投資のサービスを開始することはできないだろうか。金融機関は投資未経験層や若年層に資産運用サービスを提供することをめざしている。ポイントの利用には、若年層の関心が高く、この層は、投資未経験層に重なる」と、ポイント投資の活用を訴える。
「投資を始めるには、最初の一歩がハードルになって踏み出せない人が多い。このハードルを乗り越えていくための手段として、現金よりも利用する心理的なハードルが低いポイントを使うようにすれば、より多くの方々が投資を体験し、実際の資産運用市場の拡大につながるのではないか」と期待を表した。
提供:モーニングスター社
クレディセゾンが「永久不滅ポイント」を運用して増やす「ポイント運用」を開始したのは2016年12月。運用コースの追加、個別株式での運用なども加えて既に30万人以上の利用者を獲得したという。また、NTTドコモは「dポイント」、楽天市場は「楽天スーパーポイント」を使って、それぞれ投資信託の基準価額に連動してポイントが増減するサービスを提供している。
また、楽天証券が「楽天スーパーポイント」などを投資信託の買付代金の一部、または、全部に利用できるサービスを開始。こちらは、証券口座を開設しているので、つみたてNISAなどのNISA口座や特定口座などに対応している。SBI証券でもCCCマーケティングと合弁設立した「SBIネオモバイル証券」で「Tポイント」を活用した投資サービスを来春にスタートすると発表している。
吉田氏は、「インターネットを通じて1万人調査を毎月実施しているが、2017年9月以来、今年10月までの結果で『つみたてNISA』と『投資信託』の両方を知らないという人が、毎回6割程度は存在する。この投資について『無関心』といえる方々にも『ポイントを運用して増やす』というコンセプトを通じて、運用のきっかけにすることができる」と説く。
同社が今年11月20日に行った「ポイント投資を利用している投資未経験者へのアンケート調査」では、有効回答数は206だったが、回答内容を分析すると「ポイント投資は投資のすそ野拡大に大いに貢献できる」と感じたという。回答者の属性は、男女比はほぼ半々、40代が最も多いが20代−60歳以上まで幅広い年齢層に分布している。実際に利用している主なポイント投資サービスは、「ポイント運用by楽天PointClub」(楽天市場)、「dポイント投資」(NTTドコモ)、「永久不滅ポイント運用サービス」(クレディセゾン)だった。
吉田氏が注目したのは、「ポイント投資を始めた理由」。「ポイントが増やせそうだったから」が78.2%と第1位だったが、第2位の「ポイントなら実際のお金と違い、損をしてもいいと思ったから」が33%も存在していたこと。「ポイント投資をしている人の3人に1人は、『ポイントだから』投資をしている。ポイントでなければ投資を始めなかったといえる。つまり、「消費者はポイントはサービスで付与された意識があり、現金と同じ価値を有していても現金と比べて使用する心理的ハードルが低い。給与などとは区別して異なる扱いをしていることが分かる」という。
そして、ポイント投資をきっかけに、実際の投資を始めた人が26%。実際の投資に興味を持った(実際には何もしていない)人が27%。50%強の人が、投資に興味を持っている。実際にポイント投資をはじめてポイントが増えたと答えている人は24.3%なので、直接的な収益メリットがなくても、投資経験をしたことが、次の投資への呼び水になっていることもうかがえる。ポイント投資の満足度は77%と高い。
吉田氏は、「たとえば、地方銀行64行のうち、ポイントを用いたサービスを実施しているのは55%を占める。ほとんどが銀行独自のポイントを付与する仕組みだ。そして、ポイントの使い道は、現在のところ、金利優遇やATM利用手数料の無料などにとどまっている。ポイントの利用範囲を少し広げて、ポイント投資のサービスを開始することはできないだろうか。金融機関は投資未経験層や若年層に資産運用サービスを提供することをめざしている。ポイントの利用には、若年層の関心が高く、この層は、投資未経験層に重なる」と、ポイント投資の活用を訴える。
「投資を始めるには、最初の一歩がハードルになって踏み出せない人が多い。このハードルを乗り越えていくための手段として、現金よりも利用する心理的なハードルが低いポイントを使うようにすれば、より多くの方々が投資を体験し、実際の資産運用市場の拡大につながるのではないか」と期待を表した。
提供:モーニングスター社