ファーウェイ幹部逮捕、中国株ファンドへの影響は?

 “ファーウェイ・ショック”の影響に対する投資家の関心が高まっている。中国スマートホン大手の華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)の副会長兼CFO(最高財務責任者)が米当局の要請によりカナダで逮捕されたことにより、日本や中国などで株安が進み12月6日には米国株式が一時大幅に下落した。

 ファーウェイは非上場戦略を貫いているものの、今回の株価ショックにつながったのは、既に緊張が高まっている米国と中国の通商交渉に悪影響を及ぼし、関税問題、ひいては景気後退につながるとの懸念が強まったことによるところが大きい。中国は情報通信・情報技術並びにハイテク製造業に力を入れており、「中国製造2025」と呼ばれる産業振興策を取っている。2017年暦年の成長率は情報通信・情報技術サービスで27.0%となっており成長力は他の業種を引き離す。このような状況もあり米国も中国の情報技術の拡大に神経をとがらせている。

 また、新興国関連の株式への影響についてみると、新興国を代表する株価指数である「MSCIエマージング・マーケット・インデックス」への中国の構成比率は2018年11月末時点で30.99%と他国を大きく上回る。そして同指数組み入れ比率1位、2位は中国の情報産業を代表するテンセント・アリババであり2社だけで割合は8%を占めており、中国情報技術企業の存在感の大きさを示しているといえる。

 個別ファンドの状況を調べると国内公募ファンドのうちモーニングスターカテゴリーが「国際株式・中国(為替ヘッジなし)」に属し、純資産残高が100億円を超えるファンドは2018年10月末時点で7本ある。いずれのファンドも情報技術、テクノロジー、ソフトウェアへの投資割合が10%を超えており、比較的高い割合となっている。

 但し“ファーウェイ・ショック”による中国株ファンドへの影響については現時点では慎重に考える必要がある。中国の情報通信・情報技術サービスがGDP(国内総生産)に占める割合は中国国家統計局の発表によると2017年時点でも3.3%に過ぎない。また、中国のハイテク銘柄も6日には値を下げたものの、7日は上海総合指数が前日比0.02%高と小幅ながらプラス、香港ハンセン指数は同0.35%安と小幅なマイナスで取引を終えており、今後の推移を見守る必要があるといえる。
提供:モーニングスター社
Feature & Column 特集&コラム
  • 特集&コラム読み込み中です
このページのTOPへ
この情報は、ウエルスアドバイザー株式会社が信頼できると判断したデータにより作成しましたが、その正確性、安全性等について保証するものではありません。
また、このページは、投資判断の参考としての情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としてはいません。
このページで提供している情報、記事、画像、図表などの転用、販売、再配信は固く禁じます。

当サイトに表示されている広告の一部はヤフー株式会社に配信を委託しています。ヤフー株式会社から配信される広告が表示されるページを訪問した際には、ヤフー株式会社も同社のcookies情報を取得いたします。そこで収集されるcookies情報については当社に提供・開示されることはなく、ヤフー株式会社が定めるプライバシーの考え方にしたがって管理されます。くわしくはこちらをご覧ください。また、ヤフー株式会社から配信される行動ターゲティング広告についてはこちらをご覧下さい。