「フィデリティ・USリート」残高トップ返り咲き、米金利環境は改善か

 2018年11月末時点の国内公募追加型株式投信(ETF除く)の純資産残高で、「フィデリティ・USリート・ファンドB(為替ヘッジなし)」<2003120902>が6778億円と、月次では2017年11月末以来1年ぶりに首位に返り咲いた。前月2位であった同ファンドの残高は前月末比で2億円余り減少したが、前月トップの「フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド」<1998040105>が166億円減少したことから、順位が逆転した。

 米国リートファンドは、残高上位の毎月決算型ファンドで2017年後半から2018年前半にかけて分配金の引き下げが相次いだことから厳しい見方がなされてきたが、米国リート市場を取り巻く環境、特に金利環境が改善に向かう可能性が出ている。

 今月18日から19日にかけて行われるFOMC(米連邦公開市場委員会)では今年4回目の米政策金利の引き上げが行われると予想されているが、すでに金融市場は織り込み済みで、むしろ前月末のパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の講演を受けて、先行きの利上げ打ち止め観測が広がっている。12月7日時点の米10年債利回りは2.88%と、直近のピークである11月8日の3.24%から低下している。

 なお、IMF(国際通貨基金)の世界経済見通しでは、米国の2019年のGDP(国内総生産)成長率は前年比プラス2.5%。2018年の前年比プラス2.9%からは減速するものの堅調推移が見込まれる。減速要因が中国との貿易摩擦であることを考えると、米国不動産への投資であるため海外要因の影響が小さい米国リートが、利回り面からの魅力も交えて再び関心を集めるか注目される。
提供:モーニングスター社
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