バランス型の純資産残高トップテン、「安定」が半分占める

 米長期金利の上昇や米中貿易摩擦などに世界の金融市場が揺れた2018年。分散投資によりリスク抑制を図るバランス型ファンドにおいても、より低リスクであるタイプの残高が増加している。

 2018年11月末時点の国内公募追加型株式投信(確定拠出年金およびファンドラップ専用、ETF<上場投資信託>等除く)の純資産残高の上位10ファンドを見ると、北米リートやハイイールド債などに投資する“常連”ファンドに交じって、第8位に「東京海上・円資産バランスファンド(毎月決算型)」<2012110902>がランクインした。同ファンドは徐々にランクを上げ、前月に続いて2カ月連続のランクインとなった。

 同ファンドは、モーニングスターカテゴリーでバランス型のうち「安定」に属する。モーニングスターではバランス型ファンドをリスク資産である株式とREITの組入比率に応じて分類しており、組入比率は「安定」が25%未満、「安定成長」が25%以上50%未満、「バランス」が50%以上75%未満、「成長」が75%以上。つまり、「安定」は最もリスクが低いタイプということになる。

 バランス型のみに絞って純資産残高のランキングを見ると、上位10ファンドのうち、トップの「東京海上・円資産バランスファンド(毎月決算型)」をはじめ5ファンドが「安定」となった。

 ちなみに、5年前の2013年11月末時点の純資産残高ランキングを見ると、国内投信全体ではバランス型がランクインしておらず、バランス型内では「安定」が入っていなかった。足元でリスク回避スタンスが浸透していることがうかがえる。

 2018年11月末時点のバランス型における残高ランキング上位に入った安定型のファンドのうち、「東京海上・円資産バランスファンド(毎月決算型)」は、国内資産のみを対象として株式、債券、リートに投資することで為替リスクを回避するほか、株式とリートの資産配分を変更することで基準価額の変動リスクを年率3%程度に抑えること目標とする。第5位の「SMBC・アムンディ プロテクト&スイッチファンド」<2017072801>は、基準価額について「プロテクトライン」という目標を設け、これを常に上回る運用を目指す。仮に基準価額がプロテクトラインに接近した場合には、下回る前に繰上償還をする。いずれのファンドも、投資家のリスク抑制を重視した設計となっている。
提供:モーニングスター社
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