国内初のノーロード・低コストの先進国株SRIインデックスファンド、UBSアセット・マネジメントが設定

 UBSアセット・マネジメントは、2019年1月29日に「UBS MSCI先進国サステナブル株式インデックス・ファンド」(愛称:みらいゲート・先進国)を新規設定した。ESG(環境・社会・ガバナンス)の評価が高い先進国株式で構成されるインデックスに連動するファンドで、ESG投資を低コストで始めることができる。同ファンドの特徴についてUBSアセット・マネジメント執行役員投信営業部長の佐藤輝幸氏と投信営業部オーソライズド・オフィサーの新原大氏に聞いた。

 ――ESGをテーマにしたインデックスファンドを投入する狙いは?

佐藤 ESGに配慮したサステナブル投資市場は、欧州では2016年の投資残高が約1336兆円規模になった。米国でも12年から16年まで年率平均24%と急速に伸び、残高が約968兆円になっている。世界全体では約2540兆円という大きな残高だ。

 この大きな流れが日本にも波及すると考え、より低コストでサステナブル投資を始められる手段として新ファンドを設定した。「みらいゲート・先進国」は、ノーロード(販売手数料無料)で、実質的なコスト年0.46%で提供する。当社としては、初めての低コストのインデックスファンドの提供になる。

 ――日本では公的年金を運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が国連責任投資原則(PRI)署名するなどESGへの関心が高まっているが、この背景は?

佐藤 PRIに署名した機関数は、既に2000を超えた。世界的には、ミレニアル世代の69%が社会的責任投資に関心があるという調査結果が出るなど、デジタル世代はESG活動に敏感だ。

 日本でも、再生可能エネルギーを使う丸井の店舗を若者が支持している。また、中国ではアリババ・グループのアントフィナンシャルが提供する「アント森林(Ant Forest)」というサービスに若者を中心に3億人が参加している。CO2の排出削減に役立つ行動をするとポイントが貯まり、そのポイントがまとまると植林活動に参加できるというものだ。このような動きが投資の分野でも広がっていくことが期待できる。

 ――ファンドが連動をめざすESGインデックスとは?

佐藤 MSCI社とUBSが共同で「MSCIワールドSRI 5% イシュアー・キャップド・インデックス」を開発した。

 日本を含む世界の先進国の株式を対象とした株価指数「MSCIワールド・インデックス」(構成銘柄1640)から、「ギャンブル」「タバコ」「兵器」など環境や社会に良くない活動をしている企業を除外(ネガティブ・スクリーニング)し、ESG格付けが高く、かつ、ESG不祥事スコアが高い企業群を厳選して構成された「MSCIワールドSRI指数」がある。この指数の構成銘柄をベースに、1銘柄あたりの配分比率を5%以内に制限した指数が「MSCIワールドSRI 5% イシュアー・キャップド・インデックス」だ。保有銘柄数は、わずか396銘柄に絞り込まれている。

 ――ESGインデックスは、通常のインデックスよりもパフォーマンスが良い?

佐藤 2007年9月末から2018年8月末までの約10年間で、基点を100として指数のパフォーマンスを調べると、「MSCIワールド」が177.6に対し、「MSCIワールドSRI 5% イシュアー・キャップド・インデックス」は186.5とアウトパフォームしている。運用期間が長くなるほど、パフォーマンスの差は大きくなる傾向になることも確認できる。

 ――取り扱い金融機関は?

新原 SBI証券、マネックス証券、楽天証券、松井証券、カブドットコム証券という主要ネット証券で取り扱っていただいている(カブドットコム証券の取り扱いは3月18日から)。ネット証券では、ESGに関する啓もうコンテンツなどを作っているが、当社もコンテンツの制作等に協力してESG投資の普及に努めていきたいと考えている。

 特に、ネット証券を通じては若い方々が積立投資などで長期投資を始めている。低コストで、今後も良いパフォーマンスが期待できるESG投資に注目していただきたい。

 ――今後の展望は?

佐藤 UBSでは先進国以外でも、「米国」「日本」「太平洋地域」「新興国」「欧州通貨圏」などでサステナブル投資ETFがあり、債券SRIのETFもある。

 「みらいゲート」は、先進国を第1弾として設定したが、今後、欧州株や新興国などにシリーズ化していくことも可能だと考えている。ぜひ、これからの資産形成に、ESGインデックス投資をご活用いただきたい。
提供:モーニングスター社
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