<最優秀ファンド賞>「東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープン」、優れたオーナー企業に長期投資
東京海上アセットマネジメントが運用する「東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープン」がモーニングスターアワード・ファンド オブ ザ イヤー2018の国内株式型 部門(対象ファンド数:871本)で最優秀ファンド賞を受賞した。同ファンドは2018年のトータルリターンが5.76%と、国内株価指数がマイナス15.97%になる中で、公募ファンドとして唯一プラスの成績となった。東京海上アセットマネジメント株式運用部日本株式運用グループのファンドマネジャー北原淳平氏に、同ファンドの特徴を聞いた。
――ファンドのコンセプトは?
日本の株式銘柄(新興市場も含む)の中で、経営者自身が実質的に5%以上の株式を保有している企業に厳選して投資します。経営者のリーダーシップに着目したファンドは他にもあるのですが、このファンドでは一歩踏み込んで、経営者の株式保有条件にまで注目しています。
オーナー企業には、長期的な株主利益の追求が期待できるという強みがあります。経営者が株主と同じ目線に立って株主利益を高めることに努めます。また、在任期間が長期にわたることで、長期利益の最大化をめざす経営ができます。いわゆるサラリーマン経営者は3年くらいで交代しますが、オーナー経営者は10年、20年と長期で経営する傾向があります。
さらに、迅速な意思決定ができるメリットがあります。素早く新規事業に取り組むとともに、失敗した時の撤退も速いという特徴があります。サラリーマン経営者は、自分の任期中において事業が失敗しても先送りする傾向がありますが、オーナー企業は人気が長期であることが多く、結局自らが責任を取らなければならないため、先送りしません。一時的に利益が落ち込んだとしてもリカバリーする力があり、結果的に長期に安定した経営につながると考えています。
――運用のプロセスは?
3段階で銘柄を絞り込んでいきます。まず、実質的に経営者の持ち株比率が5%以上という基準に沿ってオーナー企業を抽出すると、全上場企業3700社のうち、約1000銘柄が残ります。
ステップ2として、原則として、オーナー経営者と直接面談することでオーナー企業の強みが実際に発揮できるかどうか調査します。経営者のビジョンや経営姿勢はどうか、実行力があるかなどを判断します。また、オーナー経営者による企業の私物化や事業承継リスクなどもリスクとして認識しており、必ず確認するようにしています。このプロセスを経て、約100銘柄まで厳選します。
そして、ステップ3で、利益の見通し、フェアバリューと株価のかい離率やリスク特性等を踏まえてポートフォリオを作ります。現在、30数銘柄に投資しています。
ポートフォリオ全体が割高にならないように、利益に応じたPERの水準を考慮するとともに、極端に株価が上がった銘柄は一部売却するなどのリスク管理を徹底し、毎年プラスを出すということを重視しています。
例えば、TOPIX(東証株価指数)が大きく上昇した2017年、当ファンドのトータルリターンは55%と特に良好でした。しかし、そのような局面でも通常の運用プロセス通り、株価が上昇して割高感が出た銘柄を売却して、割安感のある銘柄に入れ替えるなどのリスク管理を徹底しました。その結果、TOPIXが大幅に下落した2018年においても、当ファンドはプラスの成績を維持することができました。
当ファンドの運用で大事なのは、主担当である私自身が全ての銘柄を理解しつつ、一貫した運用を行うことだと思います。銘柄選択にあたり、為替やマクロ景気などの外部環境は一切気にしていません。外部環境に対応するのは経営者の仕事であり、経営者のリーダーシップのもと逆風の環境下でも増益を確保する企業や、一時的に業績が鈍化しても、素早い経営判断でリカバリーできるような、すばらしいオーナー経営者がいる企業を選ぶということに集中しています。
――少子高齢化の日本に投資して大丈夫でしょうか?
人口が減っていくことを心配されるかもしれませんが、実際には、人口が減っても高齢者向けのサービスを提供している会社の業績は伸びています。つまり、人口減少が、全ての企業にとってのマイナスではありません。銘柄を選んでいけば、新たな投資チャンスがあります。
オーナー企業こそが、リクスを取って新たな事業を進めることができると思います。リスクを取って成長するオーナー企業を長期にわたって応援する、そのようなお気持ちで当ファンドを資産形成に組入れていただければと思います。
提供:モーニングスター社
――ファンドのコンセプトは?
日本の株式銘柄(新興市場も含む)の中で、経営者自身が実質的に5%以上の株式を保有している企業に厳選して投資します。経営者のリーダーシップに着目したファンドは他にもあるのですが、このファンドでは一歩踏み込んで、経営者の株式保有条件にまで注目しています。
オーナー企業には、長期的な株主利益の追求が期待できるという強みがあります。経営者が株主と同じ目線に立って株主利益を高めることに努めます。また、在任期間が長期にわたることで、長期利益の最大化をめざす経営ができます。いわゆるサラリーマン経営者は3年くらいで交代しますが、オーナー経営者は10年、20年と長期で経営する傾向があります。
さらに、迅速な意思決定ができるメリットがあります。素早く新規事業に取り組むとともに、失敗した時の撤退も速いという特徴があります。サラリーマン経営者は、自分の任期中において事業が失敗しても先送りする傾向がありますが、オーナー企業は人気が長期であることが多く、結局自らが責任を取らなければならないため、先送りしません。一時的に利益が落ち込んだとしてもリカバリーする力があり、結果的に長期に安定した経営につながると考えています。
――運用のプロセスは?
3段階で銘柄を絞り込んでいきます。まず、実質的に経営者の持ち株比率が5%以上という基準に沿ってオーナー企業を抽出すると、全上場企業3700社のうち、約1000銘柄が残ります。
ステップ2として、原則として、オーナー経営者と直接面談することでオーナー企業の強みが実際に発揮できるかどうか調査します。経営者のビジョンや経営姿勢はどうか、実行力があるかなどを判断します。また、オーナー経営者による企業の私物化や事業承継リスクなどもリスクとして認識しており、必ず確認するようにしています。このプロセスを経て、約100銘柄まで厳選します。
そして、ステップ3で、利益の見通し、フェアバリューと株価のかい離率やリスク特性等を踏まえてポートフォリオを作ります。現在、30数銘柄に投資しています。
ポートフォリオ全体が割高にならないように、利益に応じたPERの水準を考慮するとともに、極端に株価が上がった銘柄は一部売却するなどのリスク管理を徹底し、毎年プラスを出すということを重視しています。
例えば、TOPIX(東証株価指数)が大きく上昇した2017年、当ファンドのトータルリターンは55%と特に良好でした。しかし、そのような局面でも通常の運用プロセス通り、株価が上昇して割高感が出た銘柄を売却して、割安感のある銘柄に入れ替えるなどのリスク管理を徹底しました。その結果、TOPIXが大幅に下落した2018年においても、当ファンドはプラスの成績を維持することができました。
当ファンドの運用で大事なのは、主担当である私自身が全ての銘柄を理解しつつ、一貫した運用を行うことだと思います。銘柄選択にあたり、為替やマクロ景気などの外部環境は一切気にしていません。外部環境に対応するのは経営者の仕事であり、経営者のリーダーシップのもと逆風の環境下でも増益を確保する企業や、一時的に業績が鈍化しても、素早い経営判断でリカバリーできるような、すばらしいオーナー経営者がいる企業を選ぶということに集中しています。
――少子高齢化の日本に投資して大丈夫でしょうか?
人口が減っていくことを心配されるかもしれませんが、実際には、人口が減っても高齢者向けのサービスを提供している会社の業績は伸びています。つまり、人口減少が、全ての企業にとってのマイナスではありません。銘柄を選んでいけば、新たな投資チャンスがあります。
オーナー企業こそが、リクスを取って新たな事業を進めることができると思います。リスクを取って成長するオーナー企業を長期にわたって応援する、そのようなお気持ちで当ファンドを資産形成に組入れていただければと思います。
提供:モーニングスター社