「結い2101」運用メンバー交代、「四季報オタク」元岡三ファンドマネジャー就任

 独立系投信の鎌倉投信は日本株アクティブファンド「結い2101」のチームメンバーに変更があったことを11日付発行の月次運用報告書で明らかにした。ファンドマネジャーの一人であった古川周平氏が4月末時で退職する一方、新たに五十嵐和人氏が就任した。今後は五十嵐氏に加え、代表取締役社長の鎌田恭幸氏、従来からファンドマネジャーを務めていた橋本研一氏の3名を中心に運用を行う。

 五十嵐氏は日本株のファンドマネジャーとして20年以上の経験を有する。国内銀行、外資系生命保険会社で勤務、その後は岡三アセットマネジメントでファンドマネジャーを務めており、岡三アセットのサイト等によると「中小型成長株オープン」や「ニッポン創業経営者ファンド」の運用に携わっていた。いずれも中小型株のファンドであり、培った運用経験は同じく時価総額が比較的小さい銘柄が多い「結い2101」でも活かされそうだ。今回公表された月報では自他共に認める「四季報オタク」と紹介している。

 ファンドマネジャーの変更が公表されるのは一般的な投信では少なく、「顔が見える」独立系投信のメリットの一つだ。モーニングスターでは、ファンド評価の重要ポイントを「5つのP」と呼ぶ。運用体制(People)は、運用プロセス(Process)、運用成績(Performance)、会社全体(Parent)、運用コスト(Price)と並ぶチェック項目の一つだ。

 運用体制を見る上で注意したいのはファンドマネジャーの経験年数に加え、運用の継続性だ。ファンドマネジャーの変更があったとしても、運用プロセスを把握しているその他のメンバーが引き続き運用に関わっていれば継続性は維持されやすい。その点で創業者の鎌田氏と、入社が19年1月と比較的最近ではあるものの橋本氏がメンバーである点はポジティブだ。

 「結い2101」は10年3月に設定。10年以上の長期の運用実績を有し、純資産残高は4月末時点で395億円と、5年前から2.6倍に拡大している。
提供:モーニングスター社
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