「対話」重視の日本株アクティブ投信新規設定、未開拓マーケット切り開くか

 マネックス証券は25日、企業とのエンゲージメント(対話)を行う日本株のアクティブファンド「マネックス・アクティビスト・ファンド」の募集を6月10日から開始すると発表した。運用開始は6月25日から。当ファンドの運用はグループ会社のカタリスト投資顧問の助言を基にマネックス・アセットマネジメントが行う。

 エンゲージメントとは企業との建設的な対話により企業価値の向上を促すものだ。当ファンドは潜在的に企業価値が著しく割安になっている企業に対してエンゲージメントを行い、企業価値の向上を支援する。マネックスグループの代表執行役社長CEO(最高経営責任者)で、カタリスト投資顧問の取締役会長を務める松本大氏自らが投資先企業の経営陣、取締役会メンバーとの対話を主導する。

 経営戦略や事業モデル、財務分析に加えて、ESG(環境・社会・企業統治)の観点も考慮して比較的少数の銘柄でポートフォリオを構成する。ポートフォリオの銘柄構成比は事業改変・整理の推奨、業界内の統合推進などを含む「事業計画見直し」が40%、「株主還元強化・IR強化」が20%、「親子上場等」が25%などとなっている。

 信託報酬は基本報酬2.2%(税込)に加えて、成功報酬がかかる。基本報酬部分を比較すると、国内株式アクティブファンドの信託報酬等(税込)の平均1.5%と比べて高めとなっている。コストに見合ったパフォーマンスを上げられるかがポイントだ。

 対話を運用プロセスで重視したファンドでは、4月末時点で「ブラックロック・ガバナンス・フォーカス・F」(純資産残高84億円)、「アムンディ・ターゲット・ジャパン・ファンド」(同44億円)があるが、比較的残高が大きいこれらのファンドでもまだ100億円未満だ。実質的に未開拓のマーケットと言え、今回設定のファンドがシェアを伸ばすか注目される。
提供:モーニングスター社
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