好成績「ひふみプラス」のランキング上昇=ネット証券の投信積立契約件数ランキング20年5月
大手証券3社の投信積立契約件数ランキング(月次、20年5月)で総合1位は、4カ月連続で三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」になった。同ファンドの獲得ポイントは29と3ポイントを積み増して過去最高になった。同ファンドの信託報酬は、純資産総額に応じて逓減していく仕組みを採用し、500億円未満では税込み年0.0968%だが、1000億円以上では同0.0957%になる。既に1100億円を超える残高になっているため、今後は残高の拡大に伴って0.0957%に近づくことになる。人気が高まるほどに、受益者全員がハッピーになる仕組みだ。
ランキングは、定期的に月次の投信積立契約件数トップ10を公表しているSBI証券、楽天証券、マネックス証券の公開情報を使用。各社ランキング1位に10点、以下、順位が落ちるたびに1点を減点し、第10位を1点として、3社のランキング10位までのファンドの点数を集計した。
5月のトップ10で特徴的なのは、「ひふみプラス」が前月5位から4位にランクアップしたことと、「マネックス資産設計ファンド<育成型>」が6位から7位にランクダウンしたことだ。「ひふみプラス」は、SBI証券において前月10位から5位に大幅にランクアップしたことがランクアップの主な要因。一方、「マネックス資産設計ファンド<育成型>」はマネックス証券において前月までは1位だったが、「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」に首位の座を奪われた。
「マネックス資産設計ファンド<育成型>」のような株式や債券、リートなど複数の資産に分散投資するファンドより、投資対象を株式に特化したファンドの方が選好される傾向が強まっている。「マネックス資産設計ファンド<育成型>」は前月までマネックス証券における1位をキープしていたが、同じように多資産に分散投資する「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)」は19年12月時点の第4位から、今年は7位−9位の水準にランキングを落としている。
株式ファンドの中でも、最も人気が高いのは米国株式(「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」「SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド」「楽天・全米株式インデックス・ファンド」)。次いで、先進国株式(「ニッセイ外国株式インデックスファンド)」「eMAXIS Slim先進国株式インデックス」)、そして、新興国も含む全世界株式(「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」「世界経済インデックスファンド」「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」)の順番だ。米国株式の中でも、大型・中小型株も含めてすべての米国株式を表す指数に連動する「楽天・全米株式インデックス・ファンド」より、大型株500銘柄で構成されたS&P500指数に連動するファンドの人気が高い。
このように、現在の投信積立の人気の中心は、「代表的な米国大型株(S&P500)」>「米国株式」>「先進国株式」>「全世界株式」の順になっている。この順番は、それぞれの株価の動きを示すインデックスのパフォーマンスの順番に合致している。たとえば、5月末基準で過去5年間の年率トータルリターンは、S&P500(配当込み、円ベース)が6.58%、MSCI北米(配当込み、円ベース)6.11%、MSCIコクサイ(配当込み、円ベース)3.60%、MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込み、円ベース)2.78%だ。
一方、「ひふみプラス」はランキングに入っている中では、唯一のアクティブファンドという異色の存在だ。アクティブファンドだけに信託報酬率は、税込み年0.888%(残高5500億円で逓減手数料を計算)と年0.1%を下回る水準にあるS&P500連動ファンドとは比較にならないほど高い。ただし、パフォーマンスは過去5年間で比較すると「ひふみプラス」は年率9.09%とS&P500を大きく上回っている。また、「ひふみプラス」は運用期間が10年に満たないが、兄弟ファンドである「ひふみ投信」の実績は10年(年率)15.46%とS&P500の14.96%を凌駕する。「積立はインデックスファンド」という風潮が強い中で、「ひふみプラス」が根強い人気を保っている理由に、明らかに優れたパフォーマンスがあることは確かだろう。
提供:モーニングスター社
ランキングは、定期的に月次の投信積立契約件数トップ10を公表しているSBI証券、楽天証券、マネックス証券の公開情報を使用。各社ランキング1位に10点、以下、順位が落ちるたびに1点を減点し、第10位を1点として、3社のランキング10位までのファンドの点数を集計した。
5月のトップ10で特徴的なのは、「ひふみプラス」が前月5位から4位にランクアップしたことと、「マネックス資産設計ファンド<育成型>」が6位から7位にランクダウンしたことだ。「ひふみプラス」は、SBI証券において前月10位から5位に大幅にランクアップしたことがランクアップの主な要因。一方、「マネックス資産設計ファンド<育成型>」はマネックス証券において前月までは1位だったが、「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」に首位の座を奪われた。
「マネックス資産設計ファンド<育成型>」のような株式や債券、リートなど複数の資産に分散投資するファンドより、投資対象を株式に特化したファンドの方が選好される傾向が強まっている。「マネックス資産設計ファンド<育成型>」は前月までマネックス証券における1位をキープしていたが、同じように多資産に分散投資する「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)」は19年12月時点の第4位から、今年は7位−9位の水準にランキングを落としている。
株式ファンドの中でも、最も人気が高いのは米国株式(「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」「SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド」「楽天・全米株式インデックス・ファンド」)。次いで、先進国株式(「ニッセイ外国株式インデックスファンド)」「eMAXIS Slim先進国株式インデックス」)、そして、新興国も含む全世界株式(「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」「世界経済インデックスファンド」「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」)の順番だ。米国株式の中でも、大型・中小型株も含めてすべての米国株式を表す指数に連動する「楽天・全米株式インデックス・ファンド」より、大型株500銘柄で構成されたS&P500指数に連動するファンドの人気が高い。
このように、現在の投信積立の人気の中心は、「代表的な米国大型株(S&P500)」>「米国株式」>「先進国株式」>「全世界株式」の順になっている。この順番は、それぞれの株価の動きを示すインデックスのパフォーマンスの順番に合致している。たとえば、5月末基準で過去5年間の年率トータルリターンは、S&P500(配当込み、円ベース)が6.58%、MSCI北米(配当込み、円ベース)6.11%、MSCIコクサイ(配当込み、円ベース)3.60%、MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込み、円ベース)2.78%だ。
一方、「ひふみプラス」はランキングに入っている中では、唯一のアクティブファンドという異色の存在だ。アクティブファンドだけに信託報酬率は、税込み年0.888%(残高5500億円で逓減手数料を計算)と年0.1%を下回る水準にあるS&P500連動ファンドとは比較にならないほど高い。ただし、パフォーマンスは過去5年間で比較すると「ひふみプラス」は年率9.09%とS&P500を大きく上回っている。また、「ひふみプラス」は運用期間が10年に満たないが、兄弟ファンドである「ひふみ投信」の実績は10年(年率)15.46%とS&P500の14.96%を凌駕する。「積立はインデックスファンド」という風潮が強い中で、「ひふみプラス」が根強い人気を保っている理由に、明らかに優れたパフォーマンスがあることは確かだろう。
提供:モーニングスター社