ブロックチェーンなど特徴あるテーマ型ファンドが月間2ケタの上昇、1年では50%近い上昇も

 「インベスコ 世界ブロックチェーン株式ファンド(愛称:世カエル)」が過去1カ月トータルリターンで19.02%と全公募ファンド(純資産10億円以上、DC専用とSMA専用を除く)の中で第1位になった(7月末基準)。同ファンドは2019年7月11日の設定で、ちょうど運用期間が1年間に達したところだが、過去1年間のトータルリターンは44.22%と、モーニングスターカテゴリー「国際株式・グローバル・含む日本(F)」の275本の中で第10位と、上位4%に入る好成績になっている。

 「世カエル」は、日本を含む世界各国のブロックチェーン関連株式を実質的な主要投資対象とし、「エルウッド・ブロックチェーン・グローバル・エクイティ・インデックス(円換算ベース)」への連動をめざす。同インデックスは、2017年7月を起点とし、暗号通貨のマイニング(採掘)や暗号通貨関連のトークンを保有する企業、ブロックチェーン金融サービス(トレーディング、投資、決済など)、また、ブロックチェーン技術ソリューションやコンサルなどを行う企業を構成銘柄にしている。

 同指数は、今年4月に世界株式指数がコロナショックの下落から10.9%上昇する中で、21.0%上昇して目立ったが、さらに、7月にも世界株式指数を凌駕する上昇率を見せている。同ファンドの7月の月次運用レポートでは、「ブロックチェーンを活用した暗号資産取引所であるtZoneを保有するオーバーストック・ドット・コム(米国)の株価が、前月末比で約170%の上昇となった」こと、また、「ブロックチェーンにおけるマイニング機器向けの半導体を生産するTSMC(台湾)は、市場予想を上回る4−6月期決算を発表し、増産に向けた設備投資計画を引き上げたことが好感され株価が上昇」したと報告している。

 一方、同ファンドが属するモーニングスターカテゴリー「国際株式・グローバル・含む日本(F)」の月間上昇率ランキングをみると、特徴のあるテーマ型ファンドが7月に2ケタの上昇となっている。

 1カ月のトータルリターンが13.7%になった「ベイリー・ギフォードインパクト投資ファンド」は、「社会的課題の解決」と「経済的利益の獲得」を同時に追求するインパクト投資の考え方で投資企業を選定するファンド。過去1年間では60.28%と、カテゴリーで第5位(上位2%)の成績をあげている。

 この他、「エドテック(教育+テクノロジー)」「自動運転」「フィンテック」「モビリティ・サービス」など、テーマ型のテクノロジーファンドがパフォーマンスの上位を占めている。パフォーマンスの評価を、わずか1カ月間の結果だけで判断することはできないが、1年間で50%近い成績になっているファンドが目立っている。

 世界の株式市場は、米国でNASDAQ総合指数に続いて、S&P500指数も史上最高値を更新したように、世界的な金融緩和が株価を押し上げる展開になっている。史上最高値まで押し上げられた後では、「業績の良い株式であれば何でもよい」ということではなくなり、何らかの手掛かりを求めるようになるだろう。7月の上昇率上位の銘柄は、今後を考えるヒントになるかもしれない。
提供:モーニングスター社
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