「eMAXIS Slim」シリーズ残高5000億円を突破、つみたて投資のパートナーとして人気定着

 三菱UFJ国際投信が設定・運用している低コストのインデックスファンド「eMAXIS Slim」シリーズの純資産残高が9月2日、合計で5000億円を突破した。同シリーズの設定は2017年2月27日で、シリーズ残高が1000億円を突破するまで約2年を要したが、残高4000億円に到達した6月4日からわずか3カ月足らずで残高を1000億円積み増した。コロナショックで世界の金融市場が混乱した今年3月に同シリーズの月間設定額が442億円と過去最高の月間設定額になるなど、今年に入ってから高水準の設定が続き、短期間に残高を拡大している。

 同シリーズのスタートは、「国内株式(TOPIX)」「国内債券インデックス」「先進国株式インデックス」「先進国債券インデックス」の4ファンドだった。販売手数料が不要なノーロード・インデックスファンド・シリーズ「eMAXIS」シリーズの中で、「業界最低水準の手数料水準をめざす」と明確に打ち出してベーシックな資産クラスをそろえた。

 「eMAXIS」シリーズなどのノーロード・インデックスファンド・シリーズは、2018年1月に始まった「つみたてNISA」に代表される投資信託の積立投資(毎月など定期的に一定額を継続購入する投資方法)のメーン商品に位置付けられ、主要な運用会社からシリーズ設定された。積立投資で少額を多数回にわたって購入する場合、ノーロードで購入できることは大きなメリットであり、しかも、運用管理報酬である信託報酬もできるだけ低い方が資産形成にもプラスに働くため、若年層を中心とした投信の「つみたて派」にはノーロード・インデックスファンド・シリーズが選好されたためだ。

 そして、つみたてNISAの浸透とともにその利用は、一段と拡大し、各社がその需要を取り込むために、信託報酬を「より低い水準に引き下げる」競争も激しくなった。「eMAXIS Slim」シリーズは、その信託報酬引き下げ競争の中で、常に業界最低水準を実現することを約束したことで、インデックスファンドシリーズの中で高い評価を得るようになってきた。

 たとえば、シリーズで最も残高が大きな「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」は、2018年7月3日の設定時に年0.16%(税抜き)だった手数料率を、2019年6月14日に年0.15%に引き下げ、同11月12日に年0.088%(税込み0.0968%)に引き下げている。スタート時の年0.16%でも十分に低い手数料率でありながら、2019年9月26日にSBIアセットマネジメントが「SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド」を実質税込み0.0938%という業界の常識を覆すといわれた水準で設定すると、これにまで追随した。このことで、「とことんコストにこだわる」という同シリーズへの評価は定まったといえる。

 「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の信託報酬率を年0.088%に引き下げると発表した2019年10月15日現在での同シリーズの残高合計は1925億円だったが、同年10月29日には2000億円に乗せ、その後に残高拡大は加速する。また、同ファンドも信託報酬率を引き下げた当時は残高350億円程度だったが、現在では1500億円を突破している。10カ月足らずで残高を1000億円以上積み上げたことになる。

 「eMAXIS Slim」は、すでにシリーズ13本を数えるまでになった。国内外の株式、債券、新興国の株式や国内外のリート(不動産投信)にまで投資対象は広がっている。このシリーズ残高5000億円を通過点としてベーシックなインデックスファンドシリーズとして、引き続き積立投資のパートナーとして存在感を示し続けるだろう。
提供:モーニングスター社
Feature & Column 特集&コラム
  • 特集&コラム読み込み中です
このページのTOPへ
この情報は、ウエルスアドバイザー株式会社が信頼できると判断したデータにより作成しましたが、その正確性、安全性等について保証するものではありません。
また、このページは、投資判断の参考としての情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としてはいません。
このページで提供している情報、記事、画像、図表などの転用、販売、再配信は固く禁じます。

当サイトに表示されている広告の一部はヤフー株式会社に配信を委託しています。ヤフー株式会社から配信される広告が表示されるページを訪問した際には、ヤフー株式会社も同社のcookies情報を取得いたします。そこで収集されるcookies情報については当社に提供・開示されることはなく、ヤフー株式会社が定めるプライバシーの考え方にしたがって管理されます。くわしくはこちらをご覧ください。また、ヤフー株式会社から配信される行動ターゲティング広告についてはこちらをご覧下さい。