進化する「iTrust」シリーズ、国内唯一の森林資源に投資するファンド「ティンバー」が募集開始

 ピクテ投信投資顧問株式会社は、主にネット証券などオンラインで販売するiTrustノーロード・シリーズにおいて、森林・木材関連の上場株式に投資する唯一のアクティブ株式ファンド「iTrustティンバー(愛称:木と環境と未来へ)」を3月31日に設定する。3月17日から募集開始し、SBI証券と楽天証券が担当するが順次拡大する見通しだ。3月15日にオンラインで新商品発表会を開催し、同社代表取締役社長の萩野琢英氏は、「iTrustは、2016年2月に1号ファンドを設定してから約5年でシリーズ合計160億円になり、順調に進展している。これから、『ティンバー』をはじめ、ピクテが欧州を中心に販売している魅力的なテーマ型ファンドをiTrustのシリーズに加え、シリーズを拡充していきたい」と語った。

 「iTrustティンバー」は、森林や木材など自然素材に投資する日本で唯一のファンドになる。具体的には、森林を保有する紙・パルプ会社などの企業から、建材として材木を加工・販売する企業、また、木を使ってパルプや紙などを作る企業、そして、バイオマス燃料として発電サービスを行う企業まで、「バリューチェーン全体に関わる世界の企業の株式に投資する」という。

 世界の森林資源は、二酸化炭素を吸収する大切な資源として注目を高めているが、建材のための伐採や農地などへの転用のため、1990年以降に南アフリカの面積に匹敵するほどの森林が失わてたという。その影響もあって、近年は木材価格の上昇が顕著な傾向になっている。これが、森林などを保有する「iTrustティンバー」の投資先企業の株価が上昇する要因の1つにもなっている。

 「iTrustティンバー」が投資する「ピクテ−ティンバー」というルクセンブルク籍の会社型投信は、2008年から運用実績がある。このファンドは、2008年9月末の設定時を100とすると、2021年2月末には250を超える(円換算、管理報酬等控除後)というパフォーマンスになっている。会社型投信のため、運用チームとは別に、取締役会が組織され、その取締役会ではピクテの役員3名の他に、2名の専門家が参加し、ファンドが森林資源の保護と育成に適うような運用になっているかをモニタリングする仕組みになっている。約13年間で2.5倍という、緩やかにしっかりしたパフォーマンスをあげているイメージだ。

 iTrustシリーズは、これまで地域別に4本(日本株式・世界株式・新興国株式・インド株式)を設定し、テーマ別には「iTrustティンバー」を加えると7本(既存の6本は、ロボ、バイオ、プレミアム・ブランド、エコイノベーション、セキュリティ、世界公益株式)のシリーズになる。それぞれに、特徴のあるパフォーマンスを残している。

 現在、ピクテでは、「10−15年の長期にわたり世界に影響を及ぼし続けるメガトレンド」について、コペンハーゲン未来学研究所の助言を受けて14のメガトレンド(ネットワーク経済、サステナビリティ、知識重視の社会、無形化(非物質化など)を策定している。そして、この14のメガトレンドの結びつきによって生まれる投資テーマを取り上げたテーマ型株式ファンドを立ち上げてきている。既存の「iTrustロボ」、「iTrustバイオ」などのテーマ型iTrustシリーズは国内で設定したファンドだが、欧州には新設の「ティンバー」以外にも様々なテーマ型ファンドがあるという。近く、「スマートシティ」をテーマにした国内籍ファンドの組成も計画しているとした。

 ピクテ投信投資顧問の萩野氏は、iTrustシリーズで拡充していくテーマ型の株式ファンドについて、「何本かをパッケージで購入して、ご自身がもっとも共鳴できるこれからの社会に貢献するファンドとして長期の資産形成にも役立てていただきたい」と語っていた。ESG投資が浸透している欧州では、「iTrustティンバー」や「iTrustエコイノベーション」などのファンドを富裕層が好んで組み合わせて持っているという事例が多いという。「成長株への分散ポートフォリオで資産形成を考える時にも、自分が理解できるものに投資していくということが重要」と訴え、「今後、ピクテから発信する新しい『iTrust』にご期待ください」と語っていた。
提供:モーニングスター社
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