「eMAXIS Slim」シリーズが9カ月ぶりにトップ3を独占=ネット証券の投信積立契約ランキング
大手ネット証券3社の投信積立契約件数ランキング(月次、21年4月)では、三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」が第3位にランクを上げて、「eMAXIS Slim」シリーズがトップ3を独占した。「eMAXIS Slim」シリーズがトップ3を独占するのは、2020年7月以来9カ月ぶりのことだ。一方、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」がトップになるのは2020年2月以来15カ月連続、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」が第2位になるのは、21年1月以来4カ月連続のことだ。
ランキングは、定期的に月次の投信積立契約件数トップ10を公表しているSBI証券、楽天証券、マネックス証券の公開情報を使用。各社ランキング1位に10点、以下、順位が落ちるたびに1点を減点し、第10位を1点として、3社のランキング10位までのファンドの点数を集計した。
「eMAXIS Slim」シリーズは、ネット専用のノーロード(販売時手数料無料)型インデックスファンドの中で、業界で最低水準の信託報酬率を維持することをめざすシリーズだ。競合他社から、同一インデックスに連動するインデックスファンドで「eMAXIS Slim」よりも低い水準の信託報酬率のファンドが現れた場合、その最低水準の信託報酬水準と同等の信託報酬率に引き下げてきた。その結果、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」は、「SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド」が年0.0938%(税込み)程度という業界最低水準の信託報酬を打ち出して登場した際に、年0.0968%(同)という現在の手数料率の体系に信託報酬率を引き下げた。
同ファンドは、信託財産が拡大するにしたがって、段階的に信託報酬率を引き下げる体系としており、残高1000億円以上の部分は年0.0957%(同)に設定している。現在、同ファンドの純資産残高は3991億円超であり、同ファンドの実質的な信託報酬率は0.0959%(同)だ。
このような競合でより低い信託報酬率のファンドが現れると、自動的にその水準に合わせて信託報酬率を改定してくれる仕組みは、「より低いコストで長期の運用をしたい」と考える個人投資家のニーズにしっかり応える仕組みといえ、同ファンドシリーズを使って積立投資を行う投資家が増えた。ネット証券の投信積立契約件数ランキングでも、トップ10のうち、5ファンドは「eMAXIS Slim」シリーズが占めている。
「eMAXIS Slim」シリーズは、現在13本のラインナップになっているが、いずれも代表的なインデックスで構成されている。国内外の株式と債券、そして、REIT(不動産投資信託)の代表的な指数に連動するインデックスファンドと、それらを組み合わせたバランスファンド「バランス(8資産均等型)」というラインナップだ。このシリーズがトップ10のうち5ファンドを占めるというのは、それだけオーソドックスなインデックスファンドが積立投資の主流になっていることの証といえる。
21年2月までは、「eMAXIS Neo 自動運転」がトップ10に食い込み、「eMAXIS Neo バーチャルリアリティ」や「iFreeレバレッジ NASDAQ100」もトップ10入りをうかがうような動きだった。「eMAXIS Neo」や「iFreeレバレッジ」など、いわゆる「とんがった」、特徴のあるファンドが売れ筋の上位に顔を出す時は、市場が全般に強気になっている時といえる。現在のようなオーソドックスなファンド群が上位を独占しているような時は、どちらかというと「様子見気分」が強く、市場の先行きに投資家が慎重になっている時の特徴といえるだろう。ランキングの変化とともに、その顔触れの違いにも注目していきたい。
提供:モーニングスター社
ランキングは、定期的に月次の投信積立契約件数トップ10を公表しているSBI証券、楽天証券、マネックス証券の公開情報を使用。各社ランキング1位に10点、以下、順位が落ちるたびに1点を減点し、第10位を1点として、3社のランキング10位までのファンドの点数を集計した。
「eMAXIS Slim」シリーズは、ネット専用のノーロード(販売時手数料無料)型インデックスファンドの中で、業界で最低水準の信託報酬率を維持することをめざすシリーズだ。競合他社から、同一インデックスに連動するインデックスファンドで「eMAXIS Slim」よりも低い水準の信託報酬率のファンドが現れた場合、その最低水準の信託報酬水準と同等の信託報酬率に引き下げてきた。その結果、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」は、「SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド」が年0.0938%(税込み)程度という業界最低水準の信託報酬を打ち出して登場した際に、年0.0968%(同)という現在の手数料率の体系に信託報酬率を引き下げた。
同ファンドは、信託財産が拡大するにしたがって、段階的に信託報酬率を引き下げる体系としており、残高1000億円以上の部分は年0.0957%(同)に設定している。現在、同ファンドの純資産残高は3991億円超であり、同ファンドの実質的な信託報酬率は0.0959%(同)だ。
このような競合でより低い信託報酬率のファンドが現れると、自動的にその水準に合わせて信託報酬率を改定してくれる仕組みは、「より低いコストで長期の運用をしたい」と考える個人投資家のニーズにしっかり応える仕組みといえ、同ファンドシリーズを使って積立投資を行う投資家が増えた。ネット証券の投信積立契約件数ランキングでも、トップ10のうち、5ファンドは「eMAXIS Slim」シリーズが占めている。
「eMAXIS Slim」シリーズは、現在13本のラインナップになっているが、いずれも代表的なインデックスで構成されている。国内外の株式と債券、そして、REIT(不動産投資信託)の代表的な指数に連動するインデックスファンドと、それらを組み合わせたバランスファンド「バランス(8資産均等型)」というラインナップだ。このシリーズがトップ10のうち5ファンドを占めるというのは、それだけオーソドックスなインデックスファンドが積立投資の主流になっていることの証といえる。
21年2月までは、「eMAXIS Neo 自動運転」がトップ10に食い込み、「eMAXIS Neo バーチャルリアリティ」や「iFreeレバレッジ NASDAQ100」もトップ10入りをうかがうような動きだった。「eMAXIS Neo」や「iFreeレバレッジ」など、いわゆる「とんがった」、特徴のあるファンドが売れ筋の上位に顔を出す時は、市場が全般に強気になっている時といえる。現在のようなオーソドックスなファンド群が上位を独占しているような時は、どちらかというと「様子見気分」が強く、市場の先行きに投資家が慎重になっている時の特徴といえるだろう。ランキングの変化とともに、その顔触れの違いにも注目していきたい。
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