モーニングスターの独自推計によると、２１年５月の国内公募追加型株式投信（ＥＴＦ除く）の純資金流出入額は７０８２億円の純資金流入と６カ月連続の流入超過となった。国際株式型への資金流入が継続した。

　モーニングスターの大分類別で「国際株式型」は６６５６億円の純資金流入となり、１１カ月連続の流入超過かつ大分類別で１１カ月連続の純資金流入額トップとなった。国際株式型への流入超過額を過去１０年間（１２０カ月間）で見ると今月は第６位となった。上位４位までは今年１−４月（トップは２月の７９３４億円）が占めており、高水準な資金流入が継続した。

　「国際株式型」の中でも先進国株式ファンドへの資金流入が続いている。カテゴリー別に見ると、日本を含む先進国の株式に投資する「国際株式・グローバル・含む日本（為替ヘッジなし）」が２８３２億円の純資金流入、「国際株式・北米（為替ヘッジなし）」が１８２３億円の純資金流入なり、６カ月連続で純資金流入額が全カテゴリー中で第１位、第２位となった。先進国の株価動向を示す「ＭＳＣＩ　ワールドインデックス（米ドルベース）」は５月に前月比１．２６％高と４カ月続伸し、米国ではＮＹダウ、Ｓ＆Ｐ５００が過去最高値を更新した。一方、新興国株式に投資するカテゴリーを見ると、新型コロナウイルスの感染が深刻化しているインドの株式に投資する「国際株式・インド（為替ヘッジなし）」が２３４億円の純資金流出となった。

　純資金流入額上位２５ファンドのうち１７ファンドを国際株式型が占めた。前月に過去３番目の大型設定となり全ファンド中で純資金流入額トップとなった「グローバル・エクスポネンシャル・イノベーション・ファンド」は５月も７１９億円の純資金流入と高水準な資金流入が続き、第２位となった。

　同ファンドのほかには、「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Ｄコース毎月決算型（為替ヘッジなし）予想分配金提示型」「ｅＭＡＸＩＳ　Ｓｌｉｍ米国株式（Ｓ＆Ｐ５００）」「イノベーティブ・カーボンニュートラル戦略ファンド」「グローバルＡＩファンド（予想分配金提示型）」「フィデリティ・世界割安成長株投信　Ｂコース（為替ヘッジなし）」（愛称：テンバガー・ハンター）が前月に続いて上位１０位内となった。また、「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Ｃコース毎月決算型（為替ヘッジあり）予想分配金提示型」「野村　ファンドラップ外国株Ａコース」「野村　ファンドラップ外国株Ｂコース」がトップ１０に浮上した。

　前月そろって純資金流出となった「バランス型」と「国内株式型」のうち、「バランス型」は３４６億円の純資金流入となり、２カ月ぶりの流入超過となった。カテゴリー別に見ると、バランス型ファンドの中でも株式・ＲＥＩＴというリスク資産の比率が最も高い「成長」が１８６億円の純資金流出と１２カ月連続の流出超過となったが、その他は「安定成長」が２４４億円の純資金流入、「バランス」が２１１億円の純資金流入とそろって３カ月連続の流入超過となったほか、「安定」が３７億円の純資金流入と２カ月ぶりの流入超過となった。

　個別ファンド別に見ると、「安定」に属する「投資のソムリエ」が２１５億円の純資金流入となりバランス型ファンド中でトップ（全ファンド中では第１１位）となったほか、「ピクテ・マルチアセット・アロケーション・ファンド」（愛称：クアトロ）が７９億円の純資金流入、「グローバルＥＳＧバランスファンド（為替ヘッジなし）年２回決算型」（愛称：ブルー・アース）が４０億円の純資金流入となり上位となった。

　一方、「国内株式型」は２４８億円の純資金流出となり、２カ月連続の流出超過となった。個別ファンドでは、「野村　ファンドラップ日本株」が６２５億円の純資金流出、「野村　日本株インデックス（野村投資一任口座向け）」が３５４億円の純資金流出とファンドラップ専用ファンドの一部で純資金流出が目立った。
提供：モーニングスター社