「東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープン」、株式市場の不透明感広がる中で注目度高まるか

 17日の国内株式市場で日経平均株価は前日比272円安の2万9018円と続落した。FOMC(米連邦公開市場委員会)で利上げ時期の前倒しが示唆されたことが嫌気され、下げ幅は一時400円を超えた。米利上げへの警戒感のほか、テーパリング(量的金融緩和の縮小)も懸念材料で、日米株式市場は当面、波乱含みの展開が見込まれる。「東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープン」は、経営者のリーダーシップを重視して国内企業の株式に投資し、ポートフォリオに占める内需関連業種のウエイトが高い。日米株式市場の先行きに不透明感が広がる中、外部環境の影響を相対的に受けづらい好パフォーマンスファンドとして注目度が高まる可能性がある。

 同ファンドは、経営者が実質的な主要株主である国内上場企業を投資対象とし、銘柄選定に際しては、経営者のリーダーシップに関する定性分析を重視するほか、企業の成長性・収益性と比べて割安であるかを判断する。

 パフォーマンスは長期的に良好で、21年5月末時点の過去5年間のトータルリターン(年率)は25.71%とモーニングスターカテゴリー「国内小型グロース」平均を12.89%上回り、カテゴリー66本中第2位(上位4%)。モーニングスターレーティングは同月末時点で30カ月連続5ツ星となっており、連続5ツ星期間はカテゴリー内で最長となっている。設定(2013年4月)来の累積リターンは約4.7倍と、参考指数である「TOPIX(東証株価指数)配当込み」の96.34%、カテゴリー平均の約2.8倍を大幅に上回っている。

 設定後の暦年リターン(2014年−2020年の7年間)も全期間で参考指数を上回っている。中でも、参考指数が−15.97%と急落した2018年には、経営者のリーダーシップに着目した銘柄選択が奏功し、5.76%とプラスのリターンを確保した。この結果は、日米株式市場の先行き懸念が広がっている環境下では注目ポイントとなる。

 なお、東京海上アセットマネジメントは16日、同ファンドの関連レポート「ワクチン接種進展後の日本株と足もとのジャパン・オーナーズ」を公表した。日本株について、足元のワクチン接種率の低さが株価に影響を及ぼしている可能性があるとし、「今後、ワクチン接種率の加速で日本株の上昇が期待される」と予想している。ただ、その恩恵は一律ではなく、「既に一定水準まで回復している外需関連業種への恩恵は限定的」である一方、「出遅れている内需株は未だ上昇余地が大きい」という。その上で、同ファンドの21年5月末時点のポートフォリオに占める内需関連業種(サービス業、情報・通信業、小売業、不動産業、陸運業、卸売業、食料品)の比率は63.5%と高く、国内ワクチン接種の加速が内需関連業種を多く組み入れている同ファンドの「パフォーマンスを後押しすることが期待される」との見方を示している。
提供:モーニングスター社
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