世界の株式投信、21年第1四半期の純資金流入額は前四半期比8割増

 投資信託協会が先日発表した「投資信託の世界統計2021年第1四半期(1月−3月)」によると、世界の株式投信の純資金流入額は前四半期(20年第4四半期)比で8割増となった。

 国際投資信託協会(IIFA)が46の国・地域から提供されたデータを集計した。世界の投信全体(株式投信、公社債投信、バランスファンド、MMFなどの合計)の21年第1四半期の純資金流入額は1兆1870億ドルとなった。前四半期比約59.5%増加し、20年第2四半期(4−6月)の9100億ドルを上回り、14年以降で最大となった。

 21年第1四半期の資金フローを種別に見ると、株式投信への純資金流入額は3470億ドルと前四半期比80.7%増加した。流入超過に転じた前四半期から資金流入が加速した。世界の株価動向を示すMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(米ドルベース)は同期間に4.18%上昇した。コロナワクチンの接種による景気回復期待を背景に、米国株式市場で過去最高値を断続的に更新するなど世界的に株価が上昇する中で、株式投信への資金流入ピッチが加速したと見られる。

 公社債投信への純資金流入額は3170億円となり、前四半期比2.8%減少した。リスクを重視する投資家の根強い需要を水準自体は高水準が続いたものの、世界的な株高を背景に投資家の株式投信への関心が上回ったと見られる。

 21年第1四半期末の世界の投資信託の純資産残高は64兆6300億ドルとなり、前四半期末比2.5%増加した。株式投信は同5.0%増の29兆7600億ドルと増加した一方、公社債投信は同1.0%減の12兆9200億ドルと小幅に減少した。
提供:モーニングスター社
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