「AB・米国成長株投信」シリーズ残高2兆円突破、「予想分配金提示型」けん引役に増加ペース加速

 「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信」(AB・米国成長株投信)シリーズの純資産残高が6月30日に2兆円を突破した。1兆円突破からわずか11カ月弱での2兆円乗せと、残高増加ペースが加速している。

 同シリーズは、高い利益成長もしくは持続的な利益成長の可能性が高いと判断した米国株式に投資するアクティブファンド。年2回決算型の「Aコース(為替ヘッジあり)」、「Bコース(為替ヘッジなし)」と、毎月決算型で予想分配金提示型の「Cコース毎月決算型(為替ヘッジあり)予想分配金提示型」「Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」の4ファンドからなる。2006年5月に「Aコース」「Bコース」で始まり、2014年9月に「Cコース」「Dコース」が加わった。

 シリーズ合計の残高が1兆円を突破したのは、2020年8月3日。シリーズスタートの2006年5月からは14年2カ月余り、4ファンドとなった2014年9月からは5年10カ月余りでの到達だった。その後、11カ月弱で残高が倍増した。

 残高増加の背景には、米国株式の上昇のほか、シリーズの良好なパフォーマンスとそれらを受けた高水準な資金流入がある。2021年5月末時点のモーニングスターレーティングは、「Aコース」、「Bコース」、「Dコース」が最上位の5ツ星、「Cコース」は4ツ星。加えて、「Aコース」は同月末まで72カ月連続、「Bコース」は73カ月連続、「Cコース」「Dコース」はレーティングの付与が始まった2017年9月末以降45カ月連続で4ツ星以上となっており、全ファンドともに長期的な運用成績に優れている。資金フローは、2021年5月まで「Aコース」「Bコース」「Cコース」が25カ月連続、「Dコース」が27カ月連続で純資金流入となっている。

 4ファンドの中でもけん引役は「予想分配金提示型」の「Cコース」と「Dコース」だ。両ファンドともに毎月の純資金流入額は国内ファンド全体(ETF除く)で上位の常連となっている。「Dコース」は6月23日に残高が1兆円を突破し、「Cコース」も同28日に5000億円に到達した。6月30日時点の純資産残高は「Dコース」が1兆470億円で国内全ファンド中第2位、「Cコース」が5087億円で第15位と、いずれもトップクラスである。

 予想分配金提示型とは、基準価額の水準に応じて決定する分配金の額を予め提示しているタイプのことだ。「Cコース」「Dコース」は決算日前営業日の基準価額が1万1000円未満の場合は「水準等を勘案して決定」、1万1000円以上1万2000円未満では「200円」(1万口あたり、以下同)、1万2000円以上1万3000円未満では「300円」などとなっている。参考までに、6月30日時点の基準価額は、「Cコース」が1万2211円、「Dコース」が1万2636円である。予想分配金提示型は基準価額が一定水準以下の場合には基本的に分配が見送られるため、元本から払い出すいわゆる「タコ足分配」を避けることが出来る。

 6月30日時点の「Aコース」の残高は1184億円、「Bコース」は3270億円。「Cコース」「Dコース」ほどではないが、残高規模は大きい。「AB・米国成長株投信」シリーズは、米国株式に投資する好パフォーマンスファンドとして投資家の関心を集めているが、中でも、予想分配金提示型の「Cコース」「Dコース」は、毎月分配金を受け取りながらも比較的長期間にわたって資産を運用したいという投資家のニーズにも応えていると言える。
提供:モーニングスター社
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