アクティブファンドで5ツ星が一段と人気、コロナショック後に資金シフト

 国内アクティブファドで高パフォーマンスファンドを選好する動きが強まっている。運用の巧拙の差が鮮明となるアクティブファンドにおいて運用成績が良好なファンドが好まれるのは当然と言えるが、直近、その傾向が強まっている。

 モーニングスターでは毎月、運用期間3年以上のファンドを対象に、リスクを加味したリターンがその属するカテゴリー内でどの水準にあるかを5段階で示したレーティングを公表している。最上位は5ツ星で、相対的なパフォーマンスが最も優れていることを示す。

 国内アクティブファンドを対象に、モーニングスターレーティング別の資金フローを見たところ、5ツ星ファンドは21年7月に1834億円の純資金流入となり、27カ月連続の流入超過となった。純資金流入額は、現行のレーティングの付与が始まった10年7月以降の133カ月間で第3位。トップは20年12月の2011億円、第2位は21年3月の1962億円であり、5ツ星ファンドには直近で高水準の資金流入が続いている。

 コロナショック前後で比較すると、5ツ星ファンドへの流入ぶりが分かる。純資金流入月の割合を見ると、5つ星ファンドはコロナショック前(2010年7月から2020年3月まで)の72.6%(期間117カ月中85カ月で純資金流入)から、コロナショック後(2020年4月から2021年7月まで)には100%(期間全16カ月で純資金流入)へと上昇。一方、1ツ星は21.4%から0%、2ツ星は12.8%から6.3%、3ツ星は36.8%から6.3%へ低下し、5ツ星の次に運用効率に優れる4ツ星も50.4%から43.8%へ低下した。コロナショック後の世界の株式市場が当局の財政・金融政策に支えられて上昇する中でも、経済の先行き不透明感も根強く、中・長期的なパフォーマンスが最も優れる5ツ星ファンドへの資金シフトが強まったと見られる。

 5ツ星ファンドを対象に、21年7月の純資金流入額上位を見ると、「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信」の「Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」が992億円の純資金流入、「Bコース(為替ヘッジなし)」が246億円の純資金流入で第1位、第2位となった。両ファンドは国内全ファンドにおける純資金流入額上位の常連ファンド。21年7月はいずれも直近10年間で最大の純資金流入額となっており、人気が加速している。

 第3位には「グローバル・ロボティクス株式ファンド(年2回決算型)」が202億円の純資金流入で入った。同ファンドは、20年6月から12月まで7カ月連続で純資金流出となった。21年は純資金流入が続いているが、前月は6億円に留まり、先細り感があった。18年1月には979億円の純資金流入を記録したこともあり、人気が再燃するか注目される。
提供:モーニングスター社
Feature & Column 特集&コラム
  • 特集&コラム読み込み中です
このページのTOPへ
この情報は、ウエルスアドバイザー株式会社が信頼できると判断したデータにより作成しましたが、その正確性、安全性等について保証するものではありません。
また、このページは、投資判断の参考としての情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としてはいません。
このページで提供している情報、記事、画像、図表などの転用、販売、再配信は固く禁じます。

当サイトに表示されている広告の一部はヤフー株式会社に配信を委託しています。ヤフー株式会社から配信される広告が表示されるページを訪問した際には、ヤフー株式会社も同社のcookies情報を取得いたします。そこで収集されるcookies情報については当社に提供・開示されることはなく、ヤフー株式会社が定めるプライバシーの考え方にしたがって管理されます。くわしくはこちらをご覧ください。また、ヤフー株式会社から配信される行動ターゲティング広告についてはこちらをご覧下さい。