5ツ星ファンド−「M・Sグローバル・プレミアム株式(H有)」「未来の世界(年2回決算型)」に注目

 モーニングスターでは運用実績3年以上のファンドを対象にモーニングスターレーティングを付与している。21年8月末時点で付与対象ファンドは4546本あり、このうち、同月末時点で純資産残高が10億円以上かつ前月とカテゴリーが同一のファンドは3107本ある。この中から、レーティングが5ツ星に上昇したファンド、および新規付与で5ツ星を獲得したファンドについて取り上げたい。

 レーティングが5ツ星に上昇したファンドは40本ある。今回注目したい5ツ星上昇ファンドは三菱UFJ国際投信の「モルガン・スタンレーグローバル・プレミアム株式オープン(為替ヘッジあり)」(M・Sグローバル・プレミアム株式(H有))。モーニングスターレーティングは前月の4ツ星から上昇し、20年6月以来14カ月ぶりの5ツ星となった。

 同ファンドは、日本を含む世界の企業の中から、高いブランド力や強固な販売網などを背景に持続的にフリー・キャッシュフローを増大させることが見込まれる「プレミアム企業」に厳選して投資する。実質的な運用は、英国のモルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメント・リミテッドが行う。21年7月末時点の組入銘柄は31で、組入上位は米ソフトウエア大手の『マイクロソフト』(組入比率9.3%)。米たばこ大手の『フィリップ・モリス・インターナショナル』(同8.2%)、英日用品大手『レキットベンキーザー・グループ』(同5.9%)。

 国別上位は米国が70.0%と高く、以下、英国11.6%、フランス5.8%となっている。同月末時点の過去5年間のトータルリターン(年率)は12.24%とモーニングスターカテゴリー「国際株式・グローバル・除く日本(為替ヘッジあり)」平均を0.71%上回るに留まり、カテゴリー14本中11位。ただ、リスクはカテゴリー内トップの低さであり、リスクに見合ったリターンを獲得できているか判断するシャープレシオは1.14とカテゴリー平均を0.34上回り、カテゴリーでトップとなっている。

 新規にレーティングが付与されたファンドは22本あり、その中で5ツ星を獲得したファンドは4本ある。4本の中では、アセットマネジメントOneの「グローバル・ハイクオリティ成長株式ファンド(年2回決算型)(愛称:未来の世界(年2回決算型))」(G・ハイクオリティ成長株式F(年2回))シリーズの「為替ヘッジなし」と「限定為替ヘッジ」に注目したい。

 同シリーズは、日本を含む世界の上場企業の中から、割安感のある「ハイクオリティー成長企業」に投資する。具体的には、持続可能な競争優位性を有し、高い利益成長が期待される企業の中から、株価が理論価格に比して割安と判断した企業の株式に投資する。実質的な運用は米モルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメント・インクが行う。21年7月末時点のポートフォリオを見ると、組入国では米国が66.0%、業種別では情報技術が40.8%でトップとなっている。

 8月末時点の純資産残高が2251億円と残高の大きな「為替ヘッジなし」の同月末までの過去3年間のトータルリターン(年率)は21.76%とカテゴリー「国際株式・グローバル・含む日本(為替ヘッジなし)」平均を9.33%上回り、カテゴリー内上位7%(207本中13位)となっている。
提供:モーニングスター社
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