国内株式ファンドで際立つ「バリュー」の優位、米長期金利上昇受けたグロース株売りで優位継続か
国内株式に投資するファンドの中で、バリュー(割安)株ファンドのパフォーマンスが良好だ。国内株式ファンドについてモーニングスターカテゴリー別に2021年9月末時点の年初来リターンを見たところ、国内大型バリューが21.75%で調査対象の全9カテゴリー中トップ、国内中型バリューが18.28%で第2位となった。2020年の1年間では、国内大型バリューが−4.00%で最下位、国内中型バリューが−3.18%で第8位となっており、バリュー株ファンドの今年に入ってからの反転振りが際立っている。
モーニングスターでは、国内株式ファンドについて、規模(大型・中型・小型)と投資スタイル(グロース、バリュー、ブレンド)から9カテゴリーに分類している。グロース(成長)株ファンドについて見ると、2021年9月末時点の年初来リターンは、国内小型グロースが10.03%で最下位、国内大型グロースが10.51%で第8位、国内中型グロースが10.82%で第7位。国内大型グロースが18.83%でトップとなるなど上位3位をグロースが占めた2020年と対照的な結果となっている。
国内大型株ファンドのスタイル別の暦年のリターン(2016年−2021年、2021年は9月末時点の年初来)を見ると、2020年まで4年間続いた「グロース優位」が、2021年には「バリュー優位」に変化している。バリューがグロースに対して優位であるのは、年末にかけてトランプラリーが発生した2016年(バリュー0.35%、グロース−1.11%)以来5年ぶりとなる。
国内株式ファンド(ETF、通貨選択型除く)の21年9月末時点の年初来リターンを個別に見ると、40.55%でトップとなった「日本製鉄グループ株式オープン」を始め、「イーストスプリング・ジャパン中小型厳選バリュー株ファンド」(29.16%)、「ダイヤセレクト日本株オープン」(28.87%)と、上位5ファンド中3ファンドをバリュー株ファンドが占めた。
バリュー株ファンド巻き戻しの背景には、コロナワクチンの接種進展による景気回復期待を受けて2020年の後半から景気敏感株などバリュー株物色が強まったことがある。直近では、巻き戻しは一巡したとの見方もある。ただ、21日の日経平均株価がハイテク株売りに大幅に下落するなど、利上げ観測の高まりやエネルギー高による米長期金利上昇を受けてグロース株の動きが神経質になっていることを踏まえると、バリュー株ファンドの優位が継続することも考えられる。
提供:モーニングスター社
モーニングスターでは、国内株式ファンドについて、規模(大型・中型・小型)と投資スタイル(グロース、バリュー、ブレンド)から9カテゴリーに分類している。グロース(成長)株ファンドについて見ると、2021年9月末時点の年初来リターンは、国内小型グロースが10.03%で最下位、国内大型グロースが10.51%で第8位、国内中型グロースが10.82%で第7位。国内大型グロースが18.83%でトップとなるなど上位3位をグロースが占めた2020年と対照的な結果となっている。
国内大型株ファンドのスタイル別の暦年のリターン(2016年−2021年、2021年は9月末時点の年初来)を見ると、2020年まで4年間続いた「グロース優位」が、2021年には「バリュー優位」に変化している。バリューがグロースに対して優位であるのは、年末にかけてトランプラリーが発生した2016年(バリュー0.35%、グロース−1.11%)以来5年ぶりとなる。
国内株式ファンド(ETF、通貨選択型除く)の21年9月末時点の年初来リターンを個別に見ると、40.55%でトップとなった「日本製鉄グループ株式オープン」を始め、「イーストスプリング・ジャパン中小型厳選バリュー株ファンド」(29.16%)、「ダイヤセレクト日本株オープン」(28.87%)と、上位5ファンド中3ファンドをバリュー株ファンドが占めた。
バリュー株ファンド巻き戻しの背景には、コロナワクチンの接種進展による景気回復期待を受けて2020年の後半から景気敏感株などバリュー株物色が強まったことがある。直近では、巻き戻しは一巡したとの見方もある。ただ、21日の日経平均株価がハイテク株売りに大幅に下落するなど、利上げ観測の高まりやエネルギー高による米長期金利上昇を受けてグロース株の動きが神経質になっていることを踏まえると、バリュー株ファンドの優位が継続することも考えられる。
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