21年カテゴリー別残高増加額、「国際株式・北米」が2年連続のトップ、「バランス」、「安定」も上位

 21年に純資産残高が最も増加したカテゴリーは「国際株式・北米(為替ヘッジなし)」−21年11月末時点の国内公募追加型株式投信(ETFを除く)の純資産残高をモーニングスターカテゴリー別に集計し、前年末と比較したところ、同カテゴリーが5兆1437億円増加し、増加額が全74カテゴリー中トップとなった。前年(通年)も2兆9473億円の増加でトップ。米株高を背景に増加額の急ピッチな拡大が続き、2年連続のトップとなった。

 第2位、第3位も前年と同じカテゴリーとなった。第2位は、日本を含む先進国の株式に投資する「国際株式・グローバル・含む日本(為替ヘッジなし)」で前年末比3兆1075億円の増加(前年は2兆6428億円の増加)、第3位は日本を除く先進国の株式に投資する「国際株式・グローバル・除く日本(為替ヘッジなし)」で同2兆3573億円の増加(前年は7653億円の増加)となった。いずれ米国を中心とした先進国の株高を受けて増加が続いた。

 21年の米国株式は、新型コロナウイルス変異型の発生や米金融政策正常化の動きに下落する場面もあったものの、コロナワクチンの接種進展による経済活動の再開を受けて上昇し、NYダウ、S&P500種株価指数、ナスダック総合指数の主要3指数が揃って断続的に過去最高値を更新した。日本を含む先進国の株価動向を示すMSCIワールドインデックス(米ドルベース)も11月末時点で前年末比15.31%上昇している。

 第4位には、「バランス」が増加額7440億円で、第5位には「安定」が同7032億円で入った。「バランス」は前年の2368億円の減少から切り返した。「安定」は第5位となった前年(6768億円の増加)に続き、上位5位内となった。

 個別ファンド(ETF除く)で21年11月までの純資産残高増加額を見ると、上位10ファンド中9ファンドを国際株式型ファンドが占めた。内訳は、「国際株式・北米(為替ヘッジなし)」が7ファンド、「国際株式・グローバル・含む日本(為替ヘッジなし)」が2ファンドと米国株高がプラスに働いたファンドが並んだ。

 純資産残高増加額トップは、「国際株式・北米(為替ヘッジなし)」に属する「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」で8607億円の増加となった。同ファンドは純資金流入額上位の常連。旺盛な資金流入と米国株高を背景に増加額が前年比約2.6倍に膨らんだ。

 第3位には、「国際株式・グローバル・含む日本(為替ヘッジなし)」に属する「グローバル・エクスポネンシャル・イノベーション・ファンド」が入った。同ファンドは21年4月の設定。設定日残高が2860億円と2000年以降でみて過去3番目の規模となった。21年12月23日時点は4485億円となっている。

 第9位には、「安定」に属する「投資ノソムリエ」が2527億円の増加で入った。個別ファンドの純資産残高増加額上位10ファンドの中で唯一の国際株式型以外のファンドとなった。

 カテゴリー「バランス」に属するファンドでは、「のむラップ・ファンド(普通型)」が529億円の増加、「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)」が502億円の増加などとなった。

 ランキング上位5カテゴリーの年初来リターンを見ると、「国際株式・北米(為替ヘッジなし)」が29.81%で第4位、「国際株式・グローバル・除く日本(為替ヘッジなし)」が26.55%で第8位、「国際株式・グローバル・含む日本(為替ヘッジなし)」が21.46%で第11位。「バランス」は12.05%で第25位、「安定」は2.77%で第43位となった。
提供:モーニングスター社
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