先進国株式ファンドに根強い資金流入、国内債券は2カ月連続で資金流出=DC専用ファンド(22年5月)
DC専用ファンドの2022年5月の純資金流出入額は約751億円の流入超過になった。資金流入超過は2020年12月以降18カ月連続になった。資金流入額は、前月の約418億円から大幅に回復した。流入額のトップは引き続き先進国株式で368億円、次いで、バランスに188億円の資金流入になった。先進国株式への資金流入超は18カ月連続、バランスは3カ月連続の資金流入超になった。
先進国株式の代表的な株価指数である「MSCIコクサイ(除く日本)」は年初から6月6日時点で12.68%下落した水準にあり、今年に入ってからのパフォーマンスは良くないが、過去10年のトータルリターンが年率11.96%になるなど、長期にわたって優れたパフォーマンスを残しており、DC運用の主力投資対象とみなされるようになっている。なお、国内債券は2カ月連続の資金流出になった。国内の超低金利の継続と、急速な円安によって国内債券の魅力が大きく後退した影響と考えられる。
DC専用ファンド全体の純資産総額は約8兆7963億円と前月から約742億円増加した。残高の内訳は、株式ファンド47%、債券ファンド16%、バランスファンド35%という割合で、前月と同じだった。(*個別のDC規約では、DC専用ファンド以外のファンドを制度に採用している場合があるため、DC専用ファンド全体の純資産総額は、国内DC制度全体で運用されているファンドの残高とは一致しない)
<資金流入額トップは前月同様「野村外国株式インデックスF(確定拠出年金)>
DC専用ファンドの過去1カ月間の純資金流入額ランキングのトップは前月に引き続き「野村外国株式インデックスF(確定拠出年金)」だった。また、前月同様にトップ10の9銘柄を外国株式インデックスファンドが占めた。前月は第8位に入った「野村世界REITインデックスF(確定拠出年金)」がトップ10圏外(24位)に落ち、代わって、第8位に「投資のソムリエリスク抑制型」が入った。
「野村世界REITインデックスF(確定拠出年金)」は、5月末時点の1年トータルリターンが17.10%と、外国株式インデックスファンドの12%台を凌駕しているが、資金流入額では外国株式インデックスファンドに及ばない。DC制度への採用率が外国株式インデックスファンドと比較して低いこと、また、信託報酬率が0.36%と0.15%が主流の外国株式インデックスファンドより高いことなどが、外国株式インデックスに見劣りする理由と考えられる。
「投資のソムリエリスク抑制型」は、基準価額の変動リスクを年率2%程度に抑えた運用をめざすバランスファンドで、価格変動リスクを取りたくない加入者に支持される商品だ。3月の純資金流入ランキングでは第2位に食い込むなど根強い人気がある。ただ、外国株式ファンドと比較すると、DC制度への採用率が低いこと、かつ、信託報酬率が0.65%と比較的高いこと、さらに、5月末時点のトータルリターンがマイナス5.4%と直近の運用パフォーマンスが良くないことなどで人気が持続していない。
<トータルリターンのトップはピクテの「グロイン」>
個別ファンドの過去1年間のトータルリターンランキングトップは、前月トップの「One DC先進国リートインデックスファンド」などグローバルREITファンドを抑えて、「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンドDC」が前月の第9位からジャンプアップした。前月同様にトップ10のうち9銘柄がグローバルREITを投資対象にしたファンドになった。
「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンドDC」は、主に世界の高配当利回りの公益株に投資するファンドだ。配当利回りの高さで安定的な運用収益を確保するとともに、公益株式は業績が好不況に左右されにくい安定的なパフォーマンスが期待される。欧米の利上げやウクライナ紛争にも刺激された商品価格の高止まりによる世界的なインフレ懸念など、世界経済の先行きが不透明な現在、公益企業の安定性が見直されやすい環境になっている。前月は30%を超えていたグローバルREITファンドが1年トータルリターンが今月は20%を下回る水準に低下したが、「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンドDC」は前月から20%を超えるトータルリターンの水準を維持し、今月のパフォーマンストップを奪取した。
提供:モーニングスター社
先進国株式の代表的な株価指数である「MSCIコクサイ(除く日本)」は年初から6月6日時点で12.68%下落した水準にあり、今年に入ってからのパフォーマンスは良くないが、過去10年のトータルリターンが年率11.96%になるなど、長期にわたって優れたパフォーマンスを残しており、DC運用の主力投資対象とみなされるようになっている。なお、国内債券は2カ月連続の資金流出になった。国内の超低金利の継続と、急速な円安によって国内債券の魅力が大きく後退した影響と考えられる。
DC専用ファンド全体の純資産総額は約8兆7963億円と前月から約742億円増加した。残高の内訳は、株式ファンド47%、債券ファンド16%、バランスファンド35%という割合で、前月と同じだった。(*個別のDC規約では、DC専用ファンド以外のファンドを制度に採用している場合があるため、DC専用ファンド全体の純資産総額は、国内DC制度全体で運用されているファンドの残高とは一致しない)
<資金流入額トップは前月同様「野村外国株式インデックスF(確定拠出年金)>
DC専用ファンドの過去1カ月間の純資金流入額ランキングのトップは前月に引き続き「野村外国株式インデックスF(確定拠出年金)」だった。また、前月同様にトップ10の9銘柄を外国株式インデックスファンドが占めた。前月は第8位に入った「野村世界REITインデックスF(確定拠出年金)」がトップ10圏外(24位)に落ち、代わって、第8位に「投資のソムリエリスク抑制型」が入った。
「野村世界REITインデックスF(確定拠出年金)」は、5月末時点の1年トータルリターンが17.10%と、外国株式インデックスファンドの12%台を凌駕しているが、資金流入額では外国株式インデックスファンドに及ばない。DC制度への採用率が外国株式インデックスファンドと比較して低いこと、また、信託報酬率が0.36%と0.15%が主流の外国株式インデックスファンドより高いことなどが、外国株式インデックスに見劣りする理由と考えられる。
「投資のソムリエリスク抑制型」は、基準価額の変動リスクを年率2%程度に抑えた運用をめざすバランスファンドで、価格変動リスクを取りたくない加入者に支持される商品だ。3月の純資金流入ランキングでは第2位に食い込むなど根強い人気がある。ただ、外国株式ファンドと比較すると、DC制度への採用率が低いこと、かつ、信託報酬率が0.65%と比較的高いこと、さらに、5月末時点のトータルリターンがマイナス5.4%と直近の運用パフォーマンスが良くないことなどで人気が持続していない。
<トータルリターンのトップはピクテの「グロイン」>
個別ファンドの過去1年間のトータルリターンランキングトップは、前月トップの「One DC先進国リートインデックスファンド」などグローバルREITファンドを抑えて、「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンドDC」が前月の第9位からジャンプアップした。前月同様にトップ10のうち9銘柄がグローバルREITを投資対象にしたファンドになった。
「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンドDC」は、主に世界の高配当利回りの公益株に投資するファンドだ。配当利回りの高さで安定的な運用収益を確保するとともに、公益株式は業績が好不況に左右されにくい安定的なパフォーマンスが期待される。欧米の利上げやウクライナ紛争にも刺激された商品価格の高止まりによる世界的なインフレ懸念など、世界経済の先行きが不透明な現在、公益企業の安定性が見直されやすい環境になっている。前月は30%を超えていたグローバルREITファンドが1年トータルリターンが今月は20%を下回る水準に低下したが、「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンドDC」は前月から20%を超えるトータルリターンの水準を維持し、今月のパフォーマンストップを奪取した。
提供:モーニングスター社