22年上半期リターン・国内株式型−インカムファンドが堅調、下値抵抗力発揮

 国内公募追加型株式投信(確定拠出年金専用、ファンドラップ専用、ETF、通貨選択型除く)のうち22年6月末時点の純資産残高が10億円以上の国内株式型ファンドを対象に、22年上半期(1−6月)のリターン上位ファンドを見たところ、バリュー株ファンドが多数を占め、中でもインカムファンドの存在感が際立った。世界的なインフレの高進、その抑制のための米国など各国での金融引き締め、ロシアのウクライナ侵攻などを受けて国内株式が下落する中、インカム収入による下値抵抗力が発揮された格好だ。

 モーニングスターでは、国内株式型ファンドについて、「大型・中型・小型」の規模による分類と、「グロース・ブレンド・バリュー」のスタイルによる分類からなる9つのカテゴリーに分類している。22年上期のカテゴリー別平均リターンを見ると、プラスとなったのは「国内大型バリュー」(5.41%)、「国内中型バリュー」(2.69%)の2カテゴリーのみ。他の7カテゴリーはいずれもマイナスとなり、中でも「国内大型グロース」−9.58%、「国内中型グロース」−13.83%、「国内小型グロース」−16.90%とグロースでマイナス幅が大きくなった。金利の上昇を背景に世界的にグロース株ファンドに逆風が吹く中、国内ではバリュー株の底堅さが際立った。

 22年上期の国内株式型リターン上位5ファンドのうち、「ダイヤセレクト日本株オープン」「日経平均高配当利回り株ファンド」「日本郵政株式/グループ株式ファンド」は22年6月末時点のカテゴリーが「国内大型バリュー」「日本好配当リバランスオープン」は「国内中型バリュー」である。上期のリターンは順に、14.19%、11.98%、11.01%、11.13%となった。

 4ファンドのうち「日経平均高配当利回り株ファンド」「日本好配当リバランスオープン」は相対的に配当利回りの高い企業の株式に投資する。「ダイヤセレクト日本株オープン」は三菱グループに属する企業の株式に投資するが、時価総額に応じた投資戦略(70%)と配当利回りに応じた投資戦略(30%)を合わせてポートフォリオを構築する。

 また、第6位から第10位においても、マザーファンドが同一の「好配当ジャパン・オープン」(愛称:株式時代)、「みずほ好配当日本株オープン」「みずほ好配当日本株オープン(ノーロード型)」のほか、「新光 日本インカム株式ファンド(3カ月決算型)」とインカムファンドが並んだ。この結果、リターン上位10ファンド中6ファンドがインカムファンド、さらに1ファンドはポートフォリオ構築時に配当利回りを考慮するファンドとなった。

 なお、上期リターントップはカテゴリー「国内大型ブレンド」に属する「日本株アルファ・カルテット(毎月分配型)」でリターンは25.04%となった。同ファンドは、国内株式への投資に加え、「高金利通貨戦略」「株式カバードコール戦略」「通貨カバードコール戦略」を組み合わせることで、インカムゲインとオプションプレミアムの確保を図る。上期は4月を除く5カ月間でリターンがカテゴリー平均を上回った。
提供:モーニングスター社
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