日興アセットが販売会社向けに「新NISA戦略アカデミー」を開催(2)

(1)からつづく

 日本のNISAが参照した英国ISAは、当初は期間限定の非課税制度だったが、2008年に恒久化され、それから13年間で残高が2214億ポンドから6863億ポンドに3倍になった。

 日本のNISAも2024年から恒久化されることによって、英ISA並みに利用が急拡大する可能性がある。「つみたてNISA等の取り扱いにおいて他社に出遅れたと考えておられる販売会社でも、これからの取り組みによって十分勝機がある」(国内営業企画部共同部長の汐見拓哉氏)という。さらに、新NISAは非課税限度額が大幅に拡充された上で恒久化されるため、口座開設の金融機関の移動が少ないことが考えられる。2024年以降に開設された新NISA口座が生涯口座として活用される可能性が高いといえるのだ。それだけに、出遅れると致命傷になりかねず、新NISAの口座獲得を優位にすすめるために、「今から、既存NISA(つみたてNISAや一般NISA)の口座開設を呼びかけることに大きな意味がある」(汐見氏)とした。

 もっとも、既存のNISA口座にしても、一般NISAの年間枠120万円の消化状況は、2021年度枠で1247万口座、約14兆9700億円の枠があるにもかかわらず、実際に利用されているのは約3兆3270億円と全体の22%に過ぎない。これは、今に始まったわけではなく、制度発足以来同じような使い残しが生じている。せっかく非課税枠が拡大されても使われなければ価値がない。

 その点では、「制度の浸透」と同時に、「投資への理解」、そして、「投資家の成功体験」を重ねることが重要になる。窓口販売の成功は、このような新NISAの有効活用について投資家である顧客に継続的なアドバイスが可能だという点だろう。窓口販売の拡大は、新NISAの普及にとって重要な意味がある。日興アセットでは、これらの制度普及に貢献するため、新NISAに対応した商品の供給のみならず、新NISAの制度内容や活用提案についてわかりやすく説明するためのツールや研修を用意して販売会社のサポートに努めると語っていた。
提供:ウエルスアドバイザー社
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