リスク「やや高い」ファンドへの資金流入が拡大=3月リスクメジャー別資金フロー
ウエルスアドバイザーのリスクメジャー別資金フローを見ると、2023年3月は相対的にリスクの高いファンドへの資金流入が目立った。同月は、欧米の金融システム不安に揺れたが、投資家はリスク選好スタンスを強めたもようだ。
リスクメジャーは、運用期間3年以上の国内ファンドについて、ファンドのリスク(標準偏差)が全ファンド中でどの水準にあるのかを、「低い」「やや低い」「平均的」「やや高い」「高い」の5段階で示したものである。
2023年3月は、リスクメジャー付与全ファンドの純資金流入額(ウエルスアドバイザー推計値を使用)が前月比66.8%増の5190億円と、3カ月ぶりに前月を上回った。けん引役は「やや高い」で、同区分に属するファンドの純資金流入額の合計は前月比約3.6倍の3233億円と急増した。「高い」も168億円の純資金流入となり、3カ月ぶりの純資金流入となった。
一方で、「低い」は1242億円の純資金流出と4カ月連続の流出超過となり、流出超過額は前月から526億円増加。「やや低い」は678億円の純資金流入となったが、流入超過額は前月比24.2%減となった。
2023年3月の世界株式は上昇した。米銀破綻をきっかけに欧米の金融システムに対する不安が高まり一時急落したが、当局の迅速な対応で不安が和らぎ回復した。安心感に加えて、金融不安の中で利上げの一時停止観測が広がったことから、投資家はリスク選好スタンスを回復したと見られる。
「やや高い」に属するファンド(確定拠出年金専用、ファンドラップ専用、ETF除く)について、2023年3月の純資金流入額上位を見ると、「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」(愛称:SBI・V・S&P500)、「楽天・全米株式インデックス・ファンド」(愛称:楽天・VTI)といった米国株式インデックスファンドや、「インベスコ 世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>(毎月決算型)」(愛称:世界のベスト)などが並んだ。いずれも月次の純資金流入額上位ランキングの常連ファンドであり、前月から流入超過額が増加した。
「低い」に属するファンドについて、2023年3月の純資金流出額上位を見ると、カテゴリー「安定」と「国内債券・中長期債」に属するファンドが並んだ。安全資産とされる国内債券に投資するファンドからの資金流出には、リスク回避スタンスの後退に加えて、今月の日銀新総裁の就任を受けて金融政策修正による金利上昇懸念が影響していると考えられる。「安定」はバランス型ファンドのカテゴリーの中で、リスク性資産(株式+REIT)の比率が最も低いタイプである。同カテゴリーに属するファンドから資金流出が目立つことは、投資家のリスク選好の裏返しとも見られる。
提供:ウエルスアドバイザー社
リスクメジャーは、運用期間3年以上の国内ファンドについて、ファンドのリスク(標準偏差)が全ファンド中でどの水準にあるのかを、「低い」「やや低い」「平均的」「やや高い」「高い」の5段階で示したものである。
2023年3月は、リスクメジャー付与全ファンドの純資金流入額(ウエルスアドバイザー推計値を使用)が前月比66.8%増の5190億円と、3カ月ぶりに前月を上回った。けん引役は「やや高い」で、同区分に属するファンドの純資金流入額の合計は前月比約3.6倍の3233億円と急増した。「高い」も168億円の純資金流入となり、3カ月ぶりの純資金流入となった。
一方で、「低い」は1242億円の純資金流出と4カ月連続の流出超過となり、流出超過額は前月から526億円増加。「やや低い」は678億円の純資金流入となったが、流入超過額は前月比24.2%減となった。
2023年3月の世界株式は上昇した。米銀破綻をきっかけに欧米の金融システムに対する不安が高まり一時急落したが、当局の迅速な対応で不安が和らぎ回復した。安心感に加えて、金融不安の中で利上げの一時停止観測が広がったことから、投資家はリスク選好スタンスを回復したと見られる。
「やや高い」に属するファンド(確定拠出年金専用、ファンドラップ専用、ETF除く)について、2023年3月の純資金流入額上位を見ると、「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」(愛称:SBI・V・S&P500)、「楽天・全米株式インデックス・ファンド」(愛称:楽天・VTI)といった米国株式インデックスファンドや、「インベスコ 世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>(毎月決算型)」(愛称:世界のベスト)などが並んだ。いずれも月次の純資金流入額上位ランキングの常連ファンドであり、前月から流入超過額が増加した。
「低い」に属するファンドについて、2023年3月の純資金流出額上位を見ると、カテゴリー「安定」と「国内債券・中長期債」に属するファンドが並んだ。安全資産とされる国内債券に投資するファンドからの資金流出には、リスク回避スタンスの後退に加えて、今月の日銀新総裁の就任を受けて金融政策修正による金利上昇懸念が影響していると考えられる。「安定」はバランス型ファンドのカテゴリーの中で、リスク性資産(株式+REIT)の比率が最も低いタイプである。同カテゴリーに属するファンドから資金流出が目立つことは、投資家のリスク選好の裏返しとも見られる。
提供:ウエルスアドバイザー社