米テクノロジー関連株ファンドが上位、先進国株式ファンドの年初来リターン

 先進国株式に投資するファンドの2023年3月末までの年初来リターンを調べたところ、米国テクノロジー関連企業の株式に投資するファンドが上位を占めた。米国テクノロジー関連企業の株価は昨年、米国の金利上昇が嫌気されて軒並み低調であったが、2023年は反発している。

 先進国株式に投資するファンド(確定拠出年金専用、ファンドラップ専用、ETF除く、通貨選択型も除く)の年初来リターントップは「iFreeNEXT FANG+インデックス」。リターンは36.42%となり、2022年の年間リターン−31.44%から大きく切り返した。同ファンドは、「NYSE FANG+指数(円ベース)」をベンチマークとするインデックスファンド。ベンチマークは、世界的に影響力の大きな、高い知名度を有する米国上場のテクノロジー関連企業を対象に構成された株価指数である。「FANG」は、主要銘柄であるフェイスブック(Facebook(Meta Platforms))、アマゾン・ドット・コム(Amazon.com)、ネットフリックス(Netflix)、グーグル(Google(Alphabet))を表す。第2位の「FANG+インデックス・オープン」も運用プロセスは同じだ。

 第3位以下にも、「半導体関連」「デジタル・トランスフォーメーション(DX)関連」「メタバース関連」「フィンテック関連」など米国のテクノロジー関連企業を主要投資対象とするファンドが並んだ。

 ハイテク株の組入比率の高いナスダック総合指数は、2023年3月末時点で昨年末比16.77%上昇し、上昇率はNYダウの0.38%、S&P500の7.03%を大幅に上回った。ナスダック総合指数は2022年に、FRB(米連邦準備制度理事会)の急ピッチな利上げによる米金利上昇を嫌気して年間で33.10%下落したが、2023年に入ってから切り返している。米利上げペースの鈍化観測を背景にテクノロジー関連株が買い戻されたためだが、米利上げの先行きを巡っては、米経済指標を受けた神経質な状況が続いている。米国テクノロジー関連株に投資するファンドが良好なパフォーマンスを継続できるか注目される。
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