野村AMが伯インフラ関連株に投資する「野村ブラジル・インフラ関連株投信」設定、当初設定額は796億円

 野村アセットマネジメントは5日、ブラジルの産業や生活の基盤となる設備やサービスの提供を行う企業や、インフラ発展に伴って恩恵を受ける企業の株式に投資する「野村ブラジル・インフラ関連株投信」<2010020501>の設定・運用を開始した。当初設定金額は約796億円に達するなど人気を集めている。2014年のサッカーワールドカップ、2016年の夏季五輪とビッグイベントが続き、ブラジル経済を支える「インフラ」関連の企業に注目したファンドになる。販売会社は野村証券、足利銀行。年1回(2月18日)決算。また、「野村ブラジル・インフラ関連株投信 マネープールファンド」も同日に設定され、両ファンド間でスイッチングが可能な仕組みとなっている。

 「野村ブラジル・インフラ関連株投信」は、ブラジルのインフラ関連企業の株式(DRも含む)を主要投資対象とする。同時に設定される「野村ブラジル・インフラ関連株投信 マネープールファンド」は円建ての短期有価証券を実質的な主要投資対象とし、安定した収益の確保を目指す。
 2014年のサッカーワールドカップ、2016年の夏季五輪と大きなスポーツイベントの開催を控え、巨額のインフラ投資が見込まれるブラジル経済への注目が高まっている。ワールドカップ向けでは、サッカースタジアム改修をはじめ、開催12都市間を結ぶ鉄道、道路などの交通インフラ、電気や水道といった生活インフラの拡充などが予定され、2016年の夏季五輪のためインフラ整備では、輸送関連(空港、港湾、道路、鉄道)をはじめとして合計約221億レアル(約1兆円)の投資が予定されている。
 ブラジル政府は2007年1月に発表した「成長促進プログラム(PAC)」に基づいて、雇用拡大や生活水準向上を目的としたインフラ整備への公的投資を拡大しており、2007年から2010年までの4年間で計6460億レアル(約32兆円)の投資計画が発表されている。この巨額のインフラ投資計画の進ちょく率は09年8月末時点で53.6%にとどまっているが、夏季五輪開催決定でこれまでの遅れが取り戻せるとの見方が強まっている。

 ポートフォリオ構築においては、ブラジル企業のうち、非インフラ関連企業を除外し(目安として、GICS<世界産業分類基準>の10業種のなかから、金融、生活必需品、ヘルスケア関連に分類される企業が除かれる)、流動性などを勘案して投資ユニバース(70銘柄前後)を決定。ファンダメンタルズ分析や定量分析などを加えて、実際のポートフォリオが構築される。参考ポートフォリオ(実際のポートフォリオとは異なる可能性がある)は約30銘柄で構成されており、ほかのブラジル株式ファンドと比較すると構成銘柄数はやや少なくなっている。
 目安ではあるが、業種配分比率の上位は、素材が26.0%、運輸21.5%、エネルギー17.0%、公益事業13.5%となっており、ブラジルの株価指数として一般的なボベスパ指数と比較すると、やや素材の組み入れが低く、金融が含まれていない。
 一方、同指数と比較して、運輸や公益事業などの組み入れ比率が高く、インフラ関連に投資する特徴が出ている。通貨配分比率で見ると、ブラジル・レアルが52%、米ドル(ADR)48%となっている。また、個別銘柄については、投資比率の高いもので10%を目安としている。

 「野村ブラジル・インフラ関連株投信」は、アライアンス・バーンスタイン・エル・ピーに海外株式等の運用の指図に関する権限を委託する。アライアンス・バーンスタイン・エル・ピーは世界有数の資産運用会社であり、世界25カ国46都市に拠点を有しており、幅広い資産クラスの運用を手掛けている。ブラジル株式の運用調査体制では、ブラジル産業、企業などに精通する2人の経験豊富な運用責任者(チーム・リーダー、ポートフォリオ・マネジャー)に加え、リサーチ・アナリスト4人がメンバーとなっている。「アライアンス・バーンスタインでは独自のコーポレートガバナンス評価などを運用プロセスに導入しており、確立された分析能力を持つ」(アドバイザリー運用部)という。

主な購入費用など
申込単位:一般コース(1万口以上1万口単位)、自動けいぞく投資コース(1万円以上1円単位)
申込手数料(税込み):3.15%
信託報酬率(年、税込み):1.995%(マネープールファンドは0.5775%以内、2月5日時点では0.1575%)
信託財産留保額:0.5%(マネープールファンドはなし)
スイッチング手数料(税込み):1.575%(マネープールファンドへのスイッチングは無料)
提供:モーニングスター社
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