投信残高は2四半期連続の増加、株式投信は前四半期比5.8%増=投資信託の世界統計(23年第1四半期)

 投資信託協会が15日に公表した「投資信託の世界統計2023年第1四半期(1月−3月)」によると、同四半期末の投資信託(株式投信、公社債投信、バランスファンド、MMFなどの合計)の純資産残高は前四半期(2022年第4四半期)末比5.0%増の63兆1210億ドルとなった。同四半期は、FRB(米連邦準備制度理事会)が米利上げペースを緩めるとの観測や中国のゼロコロナ政策終了による経済再開期待などから前四半期に続いて世界的な株高となり、投資信託の残高も2四半期連続で増加した。同統計は、国際投資信託協会(IIFA)が46の国・地域から提供されたデータを集計したものである。

 株式投信の純資産残高は前四半期末比5.8%増の28兆5240億ドル、公社債投信の純資産残高は同4.0%増の11兆9930億ドル、バランスファンドは同2.8%増の7兆2260億ドルとなり、いずれも2四半期連続で増加した。第1四半期末時点の投信全体の残高に占めるシェアは、株式投信45.2%、公社債投信19.0%、バランスファンド11.4%となった。

 第1四半期は投信全体で7060億ドルの純資金流入(前四半期は1220億ドルの純資金流入)と2四半期連続の純資金流入となった。株式投信は70億ドルの純資金流入(同510億ドルの純資金流出)と4四半期ぶりに純資金流入、公社債投信も1450億ドルの純資金流入(同1230億ドルの純資金流出)と2四半期ぶりの純資金流入となった。バランスファンドは560億ドルの純資金流出(同500億ドルの純資金流出)と4四半期連続の純資金流出となった。MMFは5730億ドルの純資金流入(同3320億ドルの純資金流入)となった。

 第1四半期は、世界の株価動向を示す「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス」が前四半期末比6.84%上昇(前四半期は同9.40%上昇)し、米国株式市場ではS&P500が同7.03%上昇(同7.08%上昇)した。債券は、2023年3月末の米10年債利回りが3.47%と2022年12月末の3.87%から低下(債券価格は上昇)した。
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