日興アセットマネジメントは２月２６日、通貨選択型ファンド「日興アシュモア新興国財産３分法ファンド毎月分配型（ブラジルレアルコース）／（インドルピーコース）／（中国元コース）」（追加型／海外／資産複合）<2010022601><2010022602><2010022603>と、「日興マネー・アセット・ファンド（追加型／国内／債券）<2010022604>の設定・運用を開始した。
　同シリーズは新興国の債券、株式、不動産という新興国の幅広い資産に投資し、同時にブラジル通貨のレアル、インドのルピー、中国の元とＢＲＩＣｓ中の３カ国の通貨で為替ヘッジを行う通貨選択型ファンドとなる。また、上記の３ファンドとマネープールファンドの「日興マネー・アセット・ファンド」との間で手数料なしでのスイッチングが可能だ。
　ブラジルレアルコースの当初募集金額は５５億４７００万円、インドルピーコースは３２億４０００万円、中国元コースは８億５５００万円と、他の「通貨選択型」ファンドと同様にブラジルレアルが人気を集めた。毎月３日決算（マネー・アセットは年１回、２月３日）。販売会社は日興コーディアル証券。

　「日興アシュモア新興国財産３分法ファンド毎月分配型（ブラジルレアルコース）／（インドルピーコース）／（中国元コース）」は、ファンド・オブ・ファンズ形式でガーンジー籍円建外国投資法人「アシュモア・エマージング・マーケッツ・トライアセット・ファンド・リミテッド」に主に投資する。主要投資先ファンドの運用はアシュモア・インベストメント・マネジメント・リミテッドが担当する。アシュモアは新興国市場の債券と株式の運用に特化した会社。１９９２年の発足ながら、２００９年１２月末時点での預かり資産は３１６億米ドルに達している。さらに、スペシャル・シチュエーションやマルチストラテジーといった幅広い戦略での運用にも長けている。
　日興ＡＭでは、すでに「日興・アシュモア・グローイング・マルチストラテジー・ファンド（愛称＝ネクスト・スター）」でアシュモアの運用を採用するなど、幅広い投資戦略に注目している。
　同ファンドは、新興国の社債、株式、不動産と幅広い新興国資産に着目。２００９年１２月末時点でのモデルポートフォリオ（実際の組入比率とは異なる可能性がある）では、債券が５９．０％と半分以上を占め（想定利回りは１１．０１％）、株式（想定利回りは６．１５％）が１９．０％、不動産（不動産関連の株式と社債を含む、想定利回りは９．０５％）は２２．０％となっている。ポートフォリオ全体での想定利回りは９．６％。
　モデルポートフォリオのベースとなる、各資産の基本配分比率（２００９年１２月末現在）は、債券部分が６０％、株式部分は２０％、不動産も２０％だが、実際の投資配分比率は原則として各資産とも基本配分比率±２０％の範囲で決定する方針で、比較的組入比率の自由度は高く、相場展開に応じて組入比率を随時見直す予定。
　通貨配分では、米ドル６７．９％、ブラジルレアル７．５％、ユーロ４．１％が上位になっており、米ドルなどＧ７の国々の通貨部分については為替ヘッジを行う。一方、国別配分では、ブラジル１４．０％、メキシコ９．５％、中国９．５％、インドネシア８．７％、ロシア７．３％と続いている。また、ポートフォリオ全体での組入銘柄国数は３１カ国と幅広く投資している。
　すでに投資家の間で新興国株式への注目は高まっているが、同ファンドでは都市人口の拡大による新興国の不動産投資の活発化にも注目。流動性などを勘案しながらＲＥＩＴ（不動産投資信託）や不動産関連企業の資金調達手段の一つである株式や社債への投資を行う。さらに、今回の債券の投資部分では「民間企業のパワーに注目する」（商品企画部）とのスタンスから、新興国企業の発行する社債を中心に組み入れる見通し。同ファンドでは、信用力は低く評価される新興国のハイイールド債券（新興国企業が発行するＢＢ格以下の債券）への投資を行う予定。
　アシュモアではマクロの視点から政治や経済の動きを中心に長期的な分析を行うが、債券部分はボトムアップでの綿密な個別銘柄の調査を経て、組入銘柄を決定する。また、アシュモアは情報収集のため、各国の政治家、アナリスト、機関投資家などと幅広く強固な関係を構築して、付加価値の創造に努めているという。

主な購入費用など
申込手数料（上限、税込み）：３．６７５％
信託報酬率（年、税込み）：実質２．２８９５％程度（マネー・アセットは０．５７７５％以内）
信託財産留保額：０．２５％（マネー・アセットはなし）
提供：モーニングスター社