T&Dアセットが「中国A株ファンド」を設定、株価連動証券を活用して中国A株に投資
T&Dアセットマネジメントは2月26日、実質的に中国A株に投資する「中国A株ファンド(愛称=ザ・チャイナ)」(追加型/海外/株式)<2010022609>の設定・運用を開始した。ほかの機関投資家が保持するQFII(適格機関投資家制度)枠を活用し、個別の中国A株に連動する株価連動証券などに投資することで、実質的に中国A株に投資する日本初の仕組みをとっている。現状、個人投資家にとってはQFIIを通じてのみ中国A株に投資可能。日本ではこれまでもQFII枠を獲得して中国A株に投資するファンドや、中国A株の中国上場ETF(上場投資信託)を投資対象とするファンドの設定が見られた。しかし、QFII枠を活用して中国A株に投資するケースでは、流動性の観点から買い付け・換金が原則毎営業日できないケースもあった。一方、「ザ・チャイナ」では株価連動証券へ投資する仕組みを採用したことで原則毎営業日買い付け・換金が可能となっている。販売会社はエース証券、丸八証券。年2回(6月10日、12月10日)決算。3月11日時点の純資産額は44億7000万円。
「ザ・チャイナ」は、ファンド・オブ・ファンズ形式をとり、実質的に中国A株に投資する。実際には、ケイマン籍の外国投信「申銀萬國−T&DチャイナAシェアファンド」と、「マネーアカウントマザーファンド」に投資し、外国投信の部分が中国A株に連動する株価連動証券に投資する。実際には、「個別の中国A株そのものに投資する場合とほとんど変わらない」(投信営業部)という。外国投信の運用は、申銀萬國アセット・マネジメント(アジア)が行う。同社は、中国最大手の政府系総合証券会社の申銀萬國証券を傘下に置く申銀萬國グループの投資運用会社。申銀萬國証券は政府系ファンドを通じて中央政府が37.3%の株式を保有するなど、中国有数の政府系金融コングロマリット。また、申銀萬國証券は中国A株のブローカーを務めており、中国A株に連動する株価連動証券を発行するうえで裏付けとなる中国A株のQFII枠を確保することに大きな問題がないことに加え、個別の中国A株の株価連動証券に投資することで同グループの豊富な調査リソースを生かすことも可能な仕組みとなっている。
「ザ・チャイナ」の投資対象市場である中国A株市場(上海、深セン)は、時価総額が約304兆円(09年11月末時点)と、香港H株市場の約53兆円に比べて大きい。さらに銘柄数で見ても、A株(上海、深セン)の1652銘柄(同)に対して香港H株は154銘柄(同)と大きな差がある。さらに、香港H株は金融が63%を占めるなどやや業種の偏りがみられる一方で、中国本土市場の上場株式は比較的分散が効いており、効果的な銘柄選別につなげることが可能だ。現在、QFII制度以外では投資不可能な中国A株だが、株式市場でのQFII枠の上限300億米ドルに対して、認可額の合計は現状半分程度で、中国A株市場全体の0.5%程度にとどまっている。今後はQFII枠自体の拡大が見込まれるほか、A株の先物の上場や信用取引などの解禁が予想されるなど、市場規模の拡大が期待されている。
組入銘柄の選別においては、中国本土市場上場銘柄の中から、30銘柄から50銘柄程度でポートフォリオを構築する。また、投資テーマ主導で高い流動性を持った大型株を中心に投資するのは約7割程度、残り3割程度は割安銘柄に注目して株価指標や今後の見通しで魅力的と判断される中型株を中心にポートフォリオを構築する。運用経験豊富なファンドマネジャーが外国投信の運用を担当することに加え、中国有数の金融グループである申銀萬國グループの140名から150名にも及ぶアナリストなどの運用リソースを活用できることも強みとなっている。
モデルポートフォリオでは、金融22%、一般消費財22%、消費財16%、鉱業14%、エネルギー12%、素材8%などとなっている(モデルポートフォリオであり、実際のポートフォリオと異なる可能性がある)。「『金融』などについてもポジティブなスタンスだが、現状では特に一般消費財や消費財などの『消費』関連に注目している」(同)という。
主な購入費用など
申込手数料(上限、税込み):3.15%
信託報酬率(年、税込み):おおむね2.1555%程度
信託財産留保額:0.3%
提供:モーニングスター社
「ザ・チャイナ」は、ファンド・オブ・ファンズ形式をとり、実質的に中国A株に投資する。実際には、ケイマン籍の外国投信「申銀萬國−T&DチャイナAシェアファンド」と、「マネーアカウントマザーファンド」に投資し、外国投信の部分が中国A株に連動する株価連動証券に投資する。実際には、「個別の中国A株そのものに投資する場合とほとんど変わらない」(投信営業部)という。外国投信の運用は、申銀萬國アセット・マネジメント(アジア)が行う。同社は、中国最大手の政府系総合証券会社の申銀萬國証券を傘下に置く申銀萬國グループの投資運用会社。申銀萬國証券は政府系ファンドを通じて中央政府が37.3%の株式を保有するなど、中国有数の政府系金融コングロマリット。また、申銀萬國証券は中国A株のブローカーを務めており、中国A株に連動する株価連動証券を発行するうえで裏付けとなる中国A株のQFII枠を確保することに大きな問題がないことに加え、個別の中国A株の株価連動証券に投資することで同グループの豊富な調査リソースを生かすことも可能な仕組みとなっている。
「ザ・チャイナ」の投資対象市場である中国A株市場(上海、深セン)は、時価総額が約304兆円(09年11月末時点)と、香港H株市場の約53兆円に比べて大きい。さらに銘柄数で見ても、A株(上海、深セン)の1652銘柄(同)に対して香港H株は154銘柄(同)と大きな差がある。さらに、香港H株は金融が63%を占めるなどやや業種の偏りがみられる一方で、中国本土市場の上場株式は比較的分散が効いており、効果的な銘柄選別につなげることが可能だ。現在、QFII制度以外では投資不可能な中国A株だが、株式市場でのQFII枠の上限300億米ドルに対して、認可額の合計は現状半分程度で、中国A株市場全体の0.5%程度にとどまっている。今後はQFII枠自体の拡大が見込まれるほか、A株の先物の上場や信用取引などの解禁が予想されるなど、市場規模の拡大が期待されている。
組入銘柄の選別においては、中国本土市場上場銘柄の中から、30銘柄から50銘柄程度でポートフォリオを構築する。また、投資テーマ主導で高い流動性を持った大型株を中心に投資するのは約7割程度、残り3割程度は割安銘柄に注目して株価指標や今後の見通しで魅力的と判断される中型株を中心にポートフォリオを構築する。運用経験豊富なファンドマネジャーが外国投信の運用を担当することに加え、中国有数の金融グループである申銀萬國グループの140名から150名にも及ぶアナリストなどの運用リソースを活用できることも強みとなっている。
モデルポートフォリオでは、金融22%、一般消費財22%、消費財16%、鉱業14%、エネルギー12%、素材8%などとなっている(モデルポートフォリオであり、実際のポートフォリオと異なる可能性がある)。「『金融』などについてもポジティブなスタンスだが、現状では特に一般消費財や消費財などの『消費』関連に注目している」(同)という。
主な購入費用など
申込手数料(上限、税込み):3.15%
信託報酬率(年、税込み):おおむね2.1555%程度
信託財産留保額:0.3%
提供:モーニングスター社