「ブラジル債券ファンド」の募集に異変

 米国発の金融危機が投信の新規設定ファンドにも影響を与え始めた。野村アセットマネジメントが「野村ブラジル・レアル債券投資(毎月分配型/年2回決算型)」の新規設定を10日に中止した。会社側では「昨今の市場環境を考慮すると受益者の方に迷惑をかけたくない。投資のタイミングも良くないため中止を決断した」としている。
 現在、ブラジル債券に投資するファンドは委託4社で12本が新規募集中。大和投信の「ブラジルボンドオープン」(毎月決算型・年2回決算型など6本)をはじめ、三菱UFJ投信「ブラデスコブラジル債券ファンド(分配重視型)/(成長重視型)」、ドイチェ・アセット・マネジメント「DWSブラジル・レアル債券ファンド(毎月分配型)/(年1回決算型)」、レッグ・メイソン・アセット・マネジメント「LM・ブラジル国債ファンド(毎月決算型)/(年2回決算型)」の各ファンドが10月末から11月末にかけて設定を予定している。
 ブラジル債券ファンドの設定が多く予定されている背景には、ブラジルのダイナミックな経済成長が挙げられる。鉱物資源や農産物に恵まれ、内需拡大やインフラ投資によりブラジル経済の成長率は07年の5.4%増に続き、08年も5.2%増となる見込み。政策金利が高く(10月15日現在13.75%)、S&Pが08年4月30日に外貨建長期国債格付を投資適格(BBB−)に引き上げると国外からの資金流入が加速。通貨レアルは上昇基調を強めた。過去にハイパーインフレで厳しい時代を経験したブラジルは、財政再建を果たし、BRICsの一員として注目度が増している。
 野村アセットマネジメントを除く委託会社は「ブラジル債券型ファンド」を予定通り新規募集する。大和投信では野村アセットの募集中止に伴い協議を重ねたが、「販社サイドが中止を望んでいない」(広報室)との判断から募集を続行する方針。ドイチェアセットも同様という。
 ただ、各社の今後の方針はマーケットの展開次第とみられ、動向を注意深く見守る必要がある。


提供:モーニングスター社
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